立山ケーブルカー、立山高原バス、立山トンネルトロリーバス、立山ロープウェイ、黒部ケーブルカー、関電トンネル電気バスを乗り継ぎ、北アルプス立山連峰、後立山連峰を横断する立山区炉ばアルペンルート。図解で、旅するポイントを解説します。
立山駅(富山地方鉄道→立山ケーブルカー)|標高475m
富山地方鉄道(電鉄富山駅〜立山駅)の終点が立山駅で、ここが立山黒部アルペンルートの富山県側の起点です。
立山駅で立山ケーブルカーに乗り換え。
余分な手荷物はアルペンポーターサービスで、運んでもらうことができます。
カーナビの場合は立山駅(TEL076-482-1705)を登録して誘導すればOK。
立山駅前の駐車場に車を入れますが、長野県側の扇沢まで抜ける場合には、立山駅~扇沢のマイカー回送サービスの利用が可能です。
美女平駅(立山ケーブルカー→立山高原バス)|標高977m
立山ケーブルカーから立山高原バスへの乗り換え駅が美女平駅。
立山杉(美女杉)茂る立山の溶岩台地の末端で、ここから高原バスで溶岩台地の上を森林限界を突破し、最高所の室堂平を目指します。
弥陀ヶ原(立山高原バス)|標高1930m
階段状になった溶岩台地を登る立山高原バスですが、途中の弥陀ヶ原は、富山平野を眼下に、伸びやかな湿原に木道が整備され、散策に絶好の地。
湿原の脇には設備の整った弥陀ヶ原ホテルも建っています。
また、立山カルデラを眺める展望台への歩道も整備され、爆裂火口を見学可能。
天狗平(立山高原バス)|標高2300m
途中下車する人は少ないのですが、穴場の別天地が天狗平。
室堂〜天狗平〜弥陀ヶ原を結ぶ立山登拝道をトレッキングすることもでき、とくに室堂〜天狗平のハイキングは、雷鳥を観察し、高山植物花咲くアルペン的な雰囲気を楽しむことができます。
立山高原ホテル、天狗平山荘があり、散策の基地に絶好です。
室堂ターミナル(立山高原バス→立山トンネルトロリーバス)|標高2450m
立山黒部アルペンルートの最高所が室堂ターミナル。
立山トンネルトロリーバスは、鉄道事業なので、実は日本国内の最高所にある駅ということになり、駅そばも営業。
ターミナルではホテル立山(日本ホテル協会加盟)も営業し、日本最高所のホテルとなっています。
30分ほど歩けば、日本最高所のみくりが池温泉もあり、日帰り入浴も可能。
立山(雄山)への登山道もこの室堂から一の越経由が最短コース。
室堂には雷鳥も生息、残雪も残るので、真夏の雪合戦を楽しむことができます。
室堂園地に引水された玉殿湧水は、立山トンネルの破砕帯(はさいたい)から湧き出す水で、環境省の名水百選にも選定。
室堂ターミナルで料理などに使われる水も玉殿湧水です。
大観峰(立山トンネルトロリーバス→立山ロープウェイ)|標高2316m
室堂平から立山直下を立山トンネルで抜けると、断崖にへばりつくように建つ、大観峰駅。
立山トンネルトロリーバスの駅でもあるので、鉄道駅のひとつ。
大観峰駅の屋上は「大観峰雲上テラス」で、下界で気温が30度を超えるような日でも、日中の最高気温が15度〜20度くらいです。
ここで立山ロープウェイに乗り換えますが、後立山連峰の眺めを満喫していきましょう。
室堂のホテル立山に宿泊すれば、臨時のご来光バスに乗車し、後立山連峰からの日の出を眺めることができます(有料サービス)。
黒部平駅(立山ロープウェイ→黒部ケーブルカー)|標高1828m
途中に支柱が1本も設けられていないワンスパン方式(途中に支柱のない方式)では日本最長(1700m)という立山ロープウェイで下ると黒部平駅。
黒部平駅に併設されて立山連峰から黒部湖に張り出したテラス状の黒部平園地があり、立山連峰東面の氷河地形を見上げることができます。
気候的には、ソフトクリームなどを味わうには最適。
黒部湖方面、室堂方面に向かう人のピークは、ともに13:00~15:00頃。
できれば、弥陀ヶ原、室堂に宿泊し、この時間を避けるのが賢明です。
黒部湖駅|標高1455m
黒部平駅と黒部湖駅を結ぶ黒部ケーブルカーは、自然保護と雪崩の被害防止のため全線地中。
標高差373m、最大斜度13度を5分で結んでいますが、全線トンネルなのは日本ではここだけ。
乗車しているのは運転士ではなく、実は安全監視を行なう車掌です。
黒部湖駅と関電トンネル電気バスの黒部ダム駅の間は、黒部ダムの堰堤上を600mほど歩くので、乗り換えの時間にはゆとりが必要。
黒部ケーブルカー黒部湖駅近くの黒部湖桟橋からは黒部湖遊覧船ガルベも出航しています。
関電トンネル電気バス黒部ダム駅|標高1470m
黒部ケーブルカー黒部湖駅から、黒部ダムの堰堤上を歩き、黒部ダムレストハウス側から乗車するのが関電トンネル電気バス。
映画『黒部の太陽』で知られる破砕帯を突破する難工事の末に開通したのが関電トンネルで、黒部ダムの建設には不可欠な存在だったのです。
ダムサイトには殉職者171名の名前が刻まれた黒部ダム・殉職者慰霊碑も立ち、工事の苦労を今に伝えています。
ダムを眺めるビューポイントは、放水観覧ステージ(黒部ダム)、ダム展望台(黒部ダム)の2ヶ所。
黒部ダムレストハウスではダムカレーも用意。
ちなみに黒部ダム駅は、以前に関電トンネルトロリーバスの駅だったため(鉄道駅)駅が付いていましたが、バスになったため、正しくは黒部ダムバス停ですが、以前のままに黒部ダム駅と通称されています。
関電トンネル電気バス扇沢駅|標高1433m
黒部ダム駅から関電トンネル電気バスに揺られて16分(6.1km)で、立山黒部アルペンルートの大町側(長野県側)玄関口の扇沢です。
後立山連峰の赤沢岳の下をトンネルで抜けていますが、ここが富山県と長野県の県境で、難工事だった破砕帯を抜けます。
扇沢駅ターミナルのレストランで出されるダムカレーは、日本各地にあるダムカレーのルーツ。
扇沢駅からは、路線バスに乗り継げば、JR大糸線・信濃大町駅に出ることができます。
扇沢と長野駅を結ぶ特急バスを利用すれば、北陸新幹線と立山黒部アルペンルートのジョイントプランも完成します。
立山黒部アルペンルート | |
名称 | 立山黒部アルペンルート/たてやまくろべあるぺんるーと |
所在地 | 富山県中新川郡立山町芦峅寺〜長野県大町市平 |
関連HP | 立山黒部アルペンルート公式ホームページ |
電車・バスで | 富山地方鉄道立山駅、または、関電トンネル電気バス扇沢駅から立山黒部アルペンルート |
ドライブで | 北陸自動車道立山ICから約25kmで立山駅駐車場。長野自動車道安曇野ICから約40kmで扇沢駐車場 |
駐車場 | 立山駅駐車場(900台/無料、混雑時は臨時駐車場を600台/無料を開設)、扇沢駐車場(350台/有料、230台/無料、混雑時は臨時駐車場を600台〜800台/有料を開設) |
問い合わせ | 立山黒部アルペンルート オフィシャルガイド TEL:076-432-2819 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
取材・画像協力/富山県観光振興室、立山黒部貫光、立山黒部アルペンルート
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