岐阜県多治見市虎渓山町にある臨済宗南禅寺派の名刹、永保寺(えいほうじ)。山号の虎渓山(こけいざん)の名称は景色が中国江西省の廬山(ろざん)の麓にある絶景の地・虎渓(こけい)に似ていることに由来。正和2年(1313年)に守護大名・土岐頼貞(ときよりさだ)の招きで夢窓疎石(むそうそせき)が虎渓庵に滞在し開山したのが永保寺です。
観音堂、開山堂は国宝、庭園は国の名勝!
三河の大徳寺(現・愛知県新城市)に逗留中の臨済宗の禅僧で、作庭家としても有名な夢窓疎石は、土岐頼貞の招きで土岐頼貞の父・土岐光定(ときみつさだ/美濃の有力御家人で、正室は執権北条貞時の娘)の33回忌を定林寺で厳修。
夢窓疎石は、庵を結び、の観世音菩薩像を本尊とし、正和3年(1314年)、観音堂を建立したと伝えられています。
南北朝時代の暦応2年(1339年)、北朝の光明天皇勅願所となり、以降は繁栄しますが、明治の廃仏毀釈で衰退。
雲水の修行道場(僧堂)である虎渓山専門道場を併設し、美しい庭園など往時の姿を今に留めています。
観音堂(本堂)は円覚寺舎利殿(神奈川県鎌倉市)と同様に鎌倉末期の禅宗様建築の代表作で、国宝。
観応3年(1352年)築の開山堂(僊壺堂=せんこどう)もやはり国宝。
観音堂前の庭園は、夢窓疎石の作庭した代表的な庭園のひとつで国の名勝になっています。
臥竜池(心字池)に屋形のある反り橋の無際橋がかかり、 禅林風名庭の典型。
ちなみに夢窓疎石は、正和元(1312年)、三河の大徳寺(現・愛知県新城市)を開山していますが、その翌年、38歳のときに大徳寺からこの地を訪れ、4年間滞在しています。
名称 | 永保寺/えいほうじ |
所在地 | 岐阜県多治見市虎渓山町1-42 |
関連HP | 永保寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR多治見駅からタクシーで7分 |
ドライブで | 中央自動車道多治見ICから約2.2km |
駐車場 | 100台/無料TEL:0572-22-0351/FAX:0572-22-0091 |
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