兵庫県たつの市龍野町大手にある龍野の醤油醸造の歴史を解説するミュージアムが、うすくち龍野醤油資料館。天正年間(1580年頃)創業、うすくち醤油(淡口醤油)の代表的企業、ヒガシマル醤油の運営。館内では天正年間に始まった龍野の醤油の歴史、うすくち醤油(淡口醤油)の利点などを学ぶことができます。
伝統のうすくち醤油の醸造工程を学ぶ
龍野名物のうすくち醤油(淡口醤油)は、その後やや遅れて寛文6年(1666年)に始まり、龍野藩脇坂家の保護のもと発展。
当時のうすくち醤油(淡口醤油)は、麹菌(ヒガシマル麹菌)が増えやすいように大豆を炊き、小麦を炒り、米は蒸して甘酒にして造られていました。
龍野の醤油の特徴は、原料に米(甘酒)を使うことです。
この原料に、麹と塩水を混ぜ合わせた諸味(もろみ)を混ぜて桶に仕込み、熟成したものを絞って完成します。
仕込みに使う水は、揖保川の伏流水(鉄分が少ない軟水)。
江戸時代末期の醤油蔵だった建物と、ヒガシマル醤油の旧本社社屋だった大正時代築のレンガの建物には、仕込み蔵や麹室(こうじむろ)が再現され、16世紀から受け継がれた伝統的醤油醸造の文献や、当時の用具が保存展示されています。
自慢のうすくち醤油(淡口醤油)を販売する売店も併設。
関東では馴染みの薄いうすくち醤油(淡口醤油)ですが、素材の持つ「そのままのおいしさと色」を保ちながら(醤油の色が濃い=味や香りも強い)、醤油の風味をも感じることができるのが特徴で、出汁(だし)の味をしっかりと活かすことで、減塩にもつながります(濃口しょうゆに比べて、塩分は少し高めですが、出汁の風味が生きることで減塩につながるのだとか)。
既存の多くのメーカーが、うすくち醤油(淡口醤油)の製造を開始したのは昭和40年代以降のこと。
たつの市に本社を置く、ヒガシマル醤油が江戸時代から取り組んでいることを考えると、その伝統の味が、関西の料理を支えてきたことがよくわかります。
なお、ヒガシマル醤油第一工場では、1週間前までに、電話で予約をすれば工場見学も可能。
レトロな町並みの残る大手地区は、たつの市龍野伝統的建造物群保存地区(龍野伝建地区)に指定されています。
うすくち龍野醤油資料館(ヒガシマル醤油) | |
名称 | うすくち龍野醤油資料館(ヒガシマル醤油)/うすくちたつのしょうゆしりょうかん(ヒガシマル醤油) |
所在地 | 兵庫県たつの市龍野町大手54-1 |
関連HP | ヒガシマル醤油公式ホームページ |
電車・バスで | JR本龍野駅から徒歩17分 |
ドライブで | 山陽自動車道龍野ICから約2km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | うすくち龍野醤油資料館 TEL:0791-63-4573/FAX:0791-62-5054 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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