彦根城はなぜ「世界遺産」に登録されないのか!? 次は彦根城という説も!

彦根城

2026年7月、奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」が世界文化遺産に登録され、国内の世界遺産は文化遺産22ヶ所、自然遺産5ヶ所の27ヶ所にもなっています。「推薦までに数十年かかることもある」という世界遺産への登録の道のりですが、有力な国内候補とされながら、なぜ彦根城は推薦へと至らないのでしょう?

実は姫路城の登録が大きなネックになっていた!

彦根城
大名庭園「玄宮園」から見上げた天守

世界遺産は、必ずしも有名な文化財だから、素晴らしい自然だから」といった理由で登録されるわけではありません。
例えば知床も、景観は✗。
あのダイナミックな自然景観ですら、登録には値せずとされ、登録理由は、流氷がもたらす生態系となっているのです。

文化遺産に関しては、「人類や地球の歴史全体を守るもの」という基本的なコンセプトがあり、過去に同じテーマで登録されたものは登録されづらいというハードルがあります。
つまりは、まだまだ隙間があるうちは、その隙間を埋めようという考えです。

1993年12月11日に登録された姫路城の評価された理由は、

  • その美的完成度が我が国の木造建築の最高の位置にあり、世界的にも他に類のない優れたものであること。
  • 17世紀初頭の城郭建築の最盛期に、天守群を中心に、櫓、門、土塀等の建造物や石垣、堀などの土木建築物が良好に保存され、防御に工夫した日本独自の城郭の構造を最もよく示した城であること。

日本国内に国宝となる天守は姫路城、彦根城、犬山城、松本城、松江城と5城ありますが、すでに姫路城が「我が国の木造建築の最高の位置」としているので、木造建築としての天守閣ということでの登録には無理があるのです。

彦根城
二の丸御殿の庭園「楽々園」

早ければ2028年、彦根城が登録される可能性も

彦根城
左右対称、日本で唯一という天秤櫓(てんびんやぐら)

彦根城が日本政府の「世界遺産暫定リスト」に30年以上経っていますが、それでも推薦、登録に至らない大きな理由は、姫路城とのバッティングです。

そのため、新しい次なるコンセプトを提示しています

  • 戦国時代の終焉後、京と江戸をつなぐ接点に築かれた城で、天下普請(てんかぶしん)で築城され、幕府の天下支配の要となった城。
    京を守護し、武力抗争を防ぎ、260年間継続した泰平の世に貢献。
  • 260年間にわたって地域を支配した領主(井伊家)の庭園、文書、美術工芸品などの歴史的な遺産が現存。

彦根城は、こうした新しいコンセプトを引っ提げて、世界遺産登録への道を慎重に歩んでいます。
実は「プレリミナリー・アセスメント(事前評価)」をすでに受けているため、「飛鳥・藤原の宮都」に次ぐ、世界遺産登録は彦根城ではないかと推測できるのです。

なぜなら2026年6月現在、日本政府の暫定リストに記載されている遺産の中で、推薦書の素案を文化庁に提出しているのは「飛鳥・藤原の宮都」と彦根城だけ。
つまり、「飛鳥・藤原の宮都」が先か、彦根城が先かといわれるくらいの期待度だったのです。

彦根城
天秤櫓に渡る廊下橋、いざというときは落とす仕組み
彦根城はなぜ「世界遺産」に登録されないのか!? 次は彦根城という説も!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
彦根城

彦根城

彦根城(滋賀県彦根市)は、姫路城などとともに国宝5天守の一つに数えられる名城で、約20年の歳月をかけて元和8年(1622年)頃に完成をみた彦根藩井伊家35万石の居城です。琵琶湖八景「月明・彦根の古城」に数えられるほど優美な姿を見せる天守は、

よく読まれている記事

こちらもどうぞ