史跡とは、「貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅、その他の遺跡で、我が国にとって歴史上または学術上価値の高いもの」のうち重要なもの(文化財保護法)。そのなかから選ばれた3ヶ所が日本三大史跡で、多賀城跡(宮城県多賀城市)、平城宮跡(奈良県奈良市)、大宰府跡(だざいふあと/福岡県太宰府市)です。
国の特別史跡は全国に62ヶ所
昭和24年1月、法隆寺金堂を火災で失った反省から生まれた文化財保護法。
文化財保護法では、遺跡のうち重要なものが史跡に指定され、そのうち「学術上の価値が特に高く、我が国文化の象徴たるもの」が特別史跡に指定されます。
国の史跡は令和2年現在、全国で1795件あり(原始時代692件、古代399件、中世308件、近世359件、近代37)、そのうちの 62件(原始時代15件、古代26件、中世3件、近世18件)が特別史跡。
その特別史跡の中から選ばれた3件が「日本三大史跡」ということに。
3ヶ所の共通点は古代の特別史跡という点と、古代という割に(国府跡などの位置が判明していないところも多い現状)、よく保存され、発掘調査されている点です。
多賀城跡
所在地:宮城県多賀城市市川
築城:神亀元年(724年)、大野東人(おおののあずまひと)が築城
機能:奈良・平安時代に陸奥国府(むつこくふ=多賀城政庁)と鎮守府(ちんじゅふ)が設置され、11世紀中頃までの東北地方の政治・軍事・文化の中心地
文化財指定:国の特別史跡「多賀城跡 附 寺跡」、日本遺産「政宗が育んだ“伊達”な文化」
備考:日本100名城
平城宮跡
所在地:奈良県奈良市二条大路南3丁目
遷都:和銅3年(710年)
機能:元明天皇が律令制にもとづいた政治を行なう場所として、藤原京から遷都し、唐(中国)の長安を真似た本格的な中国様式の都(10万人都市)を建設。平城京を中心に、律令国家としての仕組みが完成し、天平文化が花開いた(奈良時代)。その都を治める官公庁が集まったのが平城宮
文化財指定:世界文化遺産「古都奈良の文化財」、国の特別史跡「平城宮跡」、国の特別名勝「平城宮東院庭園」、平城宮跡出土木簡3184点は国宝
大宰府跡
所在地:福岡県太宰府市観世音寺4丁目
築城:大宝元年(701年)、大宝律令で政府機関として確立
機能:7世紀後半に、九州の筑前国(朝鮮半島や大陸との交易、戦略上の拠点)に設置された地方行政機関。地方行政上重要な地域に置かれたのが大宰(おほみこともち)。外交と防衛を主任務に、九州の行政、司法を統括。海外使節を接待するための迎賓館である鴻臚館(こうろかん)を設置
文化財指定:国の特別史跡「大宰府跡」、日本遺産「古代日本の『西の都』〜東アジアとの交流拠点〜」
日本三大史跡とは!? | |
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