茨城県つくば市の北条仲町(北条商店街)にあるのがかつての筑波山参詣道であるつくば道起点。北条仲町から中禅寺(現・筑波山神社、大御堂)までは1里(4km)の距離で、北条仲町の茨城県道139号(筑波山公園線)の分岐点には、「つくば道」(「日本の道百選」選定)の起点となる巨大な標石(しるべいし)が立っています。
筑波山信仰の中禅寺へと続く参詣道が「つくば道」
筑波山は、江戸城からみると丑寅(うしとら=北東)の方角にあり、鬼門にあたるため、徳川家康は鬼門鎮守として筑波山を崇め、中禅寺(現在の筑波山神社)を祈願所に定めています。
さらに3代将軍・徳川家光は、寛永3年(1626年)、堂宇の再建を行なっていますが(徳川家光の命による日光東照宮「寛永の大造替」の直前です)、その際に整備拡充された資材運搬路が、後に江戸庶民が歩いた筑波参詣道「つくば道」。
中腹の石鳥居(一の鳥居)から先は、かつては石段が続いていました(現在は舗装道路になっていますが、ゴールに近い旧筑波山郵便局前の旧道には石段が現存し、車は県道側を走行)。
つくば道の終点は、徳川家光寄進の神橋(神域の入口を示す橋)です。
「関東ふれあいの道-筑波山めぐりから旧参道へのみち」(筑波山~筑波山神社~大御堂~神郡~平沢~北条大池→筑波梅林/10km)にも組み込まれていますが、つくば道起点は通らず、平沢官衙遺跡から北条大池へと抜けています。
ちなみに、筑波山神社へと続く参詣道のつくば道ですが、明治の神仏分離、廃仏毀釈までは、坂東三十三箇所第25番札所の中禅寺(神仏習合)への参詣道でした。
延暦年間(782年〜806年)、法相宗の徳一が開いたと伝えら、空海が入山し、知足院中禅寺と号したと伝えられる名刹で、筑波山の山岳信仰(修験道)や日本古来の神道と習合し、筑波山の信仰を支えていました。
明治の廃仏毀釈の荒波で廃寺となり、昭和5年になってようやく大御堂として再興されています。
つくば道起点 | |
名称 | つくば道起点/つくばみちきてん |
所在地 | 茨城県つくば市北条 |
電車・バスで | JR土浦駅からバスで北条仲町下車 |
ドライブで | 常磐自動車道土浦北ICから約12km |
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