茨城県つくば市、筑波山信仰を今に伝える建築物が筑波山神社神橋(旧中禅寺神橋)。3代将軍・徳川家光の中禅寺(現・筑波山神社、筑波山大御堂)修築の際の物資運搬の道を参詣道に転用した「つくば道」の終点、つまりは筑波山の神域の始まりに位置しています。寛永10年(1633)、徳川家光の寄進によるものが現存!
神仏習合、中禅寺時代の貴重な遺構
全長7.3m、幅3m、切妻造り、柿葺き(こけらぶき=木の薄板を幾重にも重ねた屋根)、妻入りの反橋(そりはし)で、現在では、筑波山神社の神事『御座替祭』(おざがわりさい/毎年11月1日と4月1日に斎行され、山頂の本殿と中腹の拝殿で神様の鎮座地が代わる祭礼)の際、神輿(みこし)と随従の人々が神橋を渡ります。
以前は合成塗料が使われていましたが、令和元年の修復で従来の漆塗り(うるしぬり)に戻され、屋根も厚さ3mmの薄板を重ね、美しい曲線を再現しています。
筑波山も、吉野山や日光山などほかの霊山と同様に、明治初年の神仏分離、廃仏毀釈までは、山岳信仰(修験道)、日本古来の神道、そして仏教が習合した神仏習合の中禅寺として栄えていました。
安土桃山時代の豪壮な遺風が残る神橋も中禅寺の神橋として築かれたもの。
中禅寺は明治初年の廃仏毀釈の荒波で廃寺となり、僧侶は神官に変わったため、神橋も後継の筑波山神社の神域入口ということに。
廃寺となった中禅寺(空海が入山し知足院中禅寺と号したという古刹、坂東三十三箇所第25番札所)は、昭和5年に大御堂として再興されています。
筑波山神社神橋(旧中禅寺神橋)は、茨城県の文化財に指定されています。
筑波山神社神橋(旧中禅寺神橋) | |
名称 | 筑波山神社神橋(旧中禅寺神橋)/つくばさんじんじゃしんきょう(きゅうちゅうぜんじしんきょう) |
所在地 | 茨城県つくば市筑波1 |
関連HP | 筑波山神社公式ホームページ |
ドライブで | 常磐自動車道土浦北ICから約20km |
駐車場 | 100台/有料 |
問い合わせ | 筑波山神社 TEL:029-866-0502/FAX:029-866-0565 |
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