能登西海岸でダイナミックな海岸線が続くのが志賀町の能登金剛(のとこんごう)。能登金剛随一の景勝地が巌門(がんもん)です。日本海にせり出た岬の断崖に波と風の浸食で幅6m、高さ15m、奥行60mの貫透洞門が生じたもの。豪快な切り立った断崖と洞門、そして洞門脇の千畳敷と呼ばれる岩棚が実に見事です。
松本清張『ゼロの焦点』の舞台で二度映画化された場所
洞門となった岬の上には老松が茂ってり、松本清張の代表作である『ゼロの焦点』の舞台にもなっています。
「暗鬱」「灰色」「荒波」と能登金剛の情景を表現した松本清張の小説『ゼロの焦点』。
昭和36年には映画化(監督:野村芳太郎、主演:久我美子)され、能登金剛は観光ブームを巻き起こしました。
その反面、自殺者も多く、暗い映画のイメージを引きずっていたのです。
「雲たれて ひとりたけれる 荒波を 恋しと思えり 能登の初旅」(松本清張)
能登金剛に身を投じた女性を哀悼するため、昭和36年7月には松本清張歌碑も建立されたほど。
それを払拭する橋が長さ39m、海上からの高さ30mの「幸せのがんもん橋」。
巌門北側の深い入江に架かる歩行者専用の橋で、橋上からの眺望は抜群!
巌門のすぐ北側の磯から「能登金剛遊覧船」も出航し、海上から巌門と能登金剛の海岸線を眺めることができます。
『ゼロの焦点』は、平成21年にも犬童一心監督、広末涼子主演で映画化され、第33回日本アカデミー賞作品賞などを受賞しています(主題歌:中島みゆき『愛だけを残せ』)。
ちなみに巌門へのルートは駐車場に隣接して北側入口、中央入口、南側入口の3ヶ所あり、ぐるりと周回できる仕組みです。
駐車場に隣接する「能登金剛センター」では、食事、喫茶、土産の購入が可能。
団体の利用も多い施設ですが、喫茶からは鷹の巣岩と洞門を眼下にできます。
広重『六十余州名所図会』に描かれた巌門
歌川広重『六十余州名所図会』の「能登 瀧之浦」に巌門、不動滝、鷹の巣岩が描かれています。
『六十余州名所図会』は,日本全国68の国々の名所を描いたシリーズ(ただし武蔵国は2図描かれ、細目を記した目録を加えて70図)。
「能登 瀧之浦」が出版されたのは幕末の嘉永6年(1853年)。
巌門 | |
名称 | 巌門/がんもん |
所在地 | 石川県羽咋郡志賀町牛下巌門 |
関連HP | 志賀町観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR羽咋駅から富来行き能登西部バスで40分、富来下車、能登西部バス巌門経由三明行きに乗換え10分、巌門下車、徒歩5分 |
ドライブで | 能登有料道路西山ICから約15km |
駐車場 | 150台/無料 |
問い合わせ | 志賀町商工観光課 TEL:0767-32-1111 |
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