『北アルプス国際芸術祭2017』東山エリアで見逃せないのはこの作品!

閉会まであと半月に迫った『北アルプス国際芸術祭2017-信濃大町 食とアートの廻廊-』。飯出敏夫が現地を取材し、仁科三湖エリアで見逃せない作品をチョイスしました。 
取材協力/北アルプス国際芸術祭実行委員会事務局

㉙伽藍への廻廊

高橋貞夫(たかはし さだお) 日本
農民美術の流れを汲んだ木工芸に、漆を施した板に木彫を組み合わせた独自の技法「彫彩」を編み出した大町市在住の作家、高橋貞夫氏の大作の数々を展示。
これほど多くの作品が一堂に展示されるのは初めてだという。

会場が大町を代表する古刹の雲松寺ということもあって、重厚な雰囲気に満たされている。

  

㉚信濃大町実景舎

目(クリエイティブチーム) 日本
大町きっての好展望地、鷹狩山の山頂に建つ古民家1棟を使った作品。
真っ白に塗られた洞窟のような導線を進むと、北アルプスの峰々が一幅の絵画となった大きなガラス窓。
誰もが歓声を上げる瞬間だ。

2階も通り抜けできる作品で、古民家の梁の美しさを取り入れた空間が興味深い。

㉛無限折りによる枯山水 鷹狩

布施知子(ふせ ともこ) 日本
作者は大町市在住の著名な折り紙作家。
鷹狩山に建つ空き店舗を会場にした作品は、独自の技法やデザインを駆使した、折り紙による枯山水の世界。

さまざまな技法で折られたパーツを組み合わせた「ユニット折り紙」の世界観に魅了される。

    

㉜風のはじまり

リー・クーチェ(李蕢至) 台湾
鷹狩山の森の中に創作された不思議空間。
森の中から拾い集めた木の枝を材料に、作者と日本人スタッフの協働で、機械力に頼らず、現地の地形や木の配置などを考慮しつつ、直径約30mの爆風の姿を手作業で創り上げた。

人間と自然の生態学的バランスの重要性を表現した、確固たる制作意図を感じさせる作品だ。

     

㉝バンブーウェーブ

ニコライ・ポリスキー ロシア
自然の素材で大きな構造体を手作業で制作することで注目を集める作者が、美しい里山風景が広がる八坂地区の竹林の美しさに着目。
地区住民との協働作業で制作した竹の構造体である。

背景の八坂の里山風景と山並みが、この作品の魅力をを際立たせている。

      

㉞集落のための楕円

フェリーチェ・ヴァリーニ スイス/フランス
日本の原風景を感じさせる八坂の小さな集落に、遠目ではどんな意図が隠されているのか判然としない黄色い帯が一軒の民家に貼られている。
そして、その家に近づいてみて、初めて作家の意図がわかる。

この造形の妙が、この作品の真骨頂。


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温泉紀行ライター。 約20年間を旅行書の取材・執筆・編集者として過ごし、 91年、温泉専門誌『温泉四季』(西北社) の創刊に参加。 同誌廃刊後、95年、温泉情報誌制作を中心とする温友社を設立。 10年からフリー。 現在は年間100日以上温泉取材を行う。 得意分野は秘湯系。 主な著書に、『一度は泊まってみたい秘湯の宿70』(成美堂出版)、 アサヒDVDブック『秘湯ロマン』(朝日新聞社)、『名湯・秘湯の山旅』(JTBパブリッシング)、 『旅の手帖mini 達人の秘湯宿』(交通新聞社) など。 TV「秘湯ロマン」監修ほか、TV出演も。 日本旅のペンクラブ理事、日本温泉地域学会会員、温泉達人会代表。

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