温泉達人・飯出敏夫の『糸魚川 魅力の4秘湯』 (1)蓮華温泉

糸魚川市の市域は広い。ここは長野県境付近、白馬岳の東北麓、標高1500mの山腹に湧く秘湯中の秘湯といえる一軒宿の温泉が蓮華温泉。アプローチは国道148号の平岩。ここからおよそ22kmの山道を分け入る。それでも7月初め~10月中旬には路線バスが通うし、狭いながらも舗装路なので、怖れるほどの道程ではない。

温泉ファンなら一度は訪ねてみたい白馬山中の秘湯

仙気ノ湯から朝日岳(2417.9m)を眺望
ロッジから一番近い露天風呂は林間の黄金湯(おうごんゆ)

蓮華温泉は白馬大池や雪倉岳への登山口であるとともに、ツアースキーの基地としても親しまれてきた。
したがって、営業は山の宿にしては珍しく早く、3月下旬から開く。
ただし、この時期はあくまでもツアースキー客の世界で、一般客は道路の雪解けと除雪が完了する6月下旬まで待たねばならない。

蓮華温泉の魅力は、なんといっても抜群のロケーションにある露天風呂の存在に尽きる。
瀟洒な構えの宿からおよそ徒歩15分、裏山の斜面に三国一ノ湯(酸性-アルミニウム-硫酸塩泉、36.8℃)、仙気ノ湯(単純酸性泉、79℃)、薬師湯(酸性-硫酸塩泉、53.8℃/Topの画像)、黄金湯(マグネシウム-炭酸水素塩泉、44.3℃)の野趣あふれる露天風呂が点在する。

脱衣所などないので、浴客はその場で服をぬいで入るしかない。
女性にはハードルが高いが、一段高みにある薬師湯は比較的入りやすく、最近では湯浴み着持参で入浴する女性も多い。
ほかに、館内には男女別の総檜造りの総湯(酸性硫黄泉、62℃)もあり、すべて自然湧出。

温泉ファンなら一度は訪ねる価値のある秘湯である。宿は山小屋スタイルだが、個室(別途料金が必要)を貸し切ることも可能だ。

日帰り入浴は内湯同様、ロッジフロントで受付が必要
蓮華温泉ロッジの内湯も眺望抜群

文・写真/温泉達人・飯出敏夫(温泉達人会代表)
温泉達人コレクション

白馬岳蓮華温泉ロッジ
名称 白馬岳蓮華温泉ロッジ/はくばだけれんげおんせんろっじ
所在地 新潟県糸魚川市大所
営業 3月20日頃~10月20日
関連HP 蓮華温泉ロッジ公式ホームページ
電車・バスで JR・えちごトキめき鉄道糸魚川駅から糸魚川バス(白馬岳登山バス蓮華線/季節運転)で1時間30分、終点下車
ドライブで 北陸自動車道糸魚川ICから約41km
駐車場 公共駐車場(70台/無料)
問い合わせ 白馬岳蓮華温泉ロッジ TEL:090-2524-7237(4/1~10/20)
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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温泉紀行ライター。 約20年間を旅行書の取材・執筆・編集者として過ごし、 91年、温泉専門誌『温泉四季』(西北社) の創刊に参加。 同誌廃刊後、95年、温泉情報誌制作を中心とする温友社を設立。 10年からフリー。 現在は年間100日以上温泉取材を行う。 得意分野は秘湯系。 主な著書に、『一度は泊まってみたい秘湯の宿70』(成美堂出版)、 アサヒDVDブック『秘湯ロマン』(朝日新聞社)、『名湯・秘湯の山旅』(JTBパブリッシング)、 『旅の手帖mini 達人の秘湯宿』(交通新聞社) など。 TV「秘湯ロマン」監修ほか、TV出演も。 日本旅のペンクラブ理事、日本温泉地域学会会員、温泉達人会代表。

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