温泉達人・飯出敏夫の『糸魚川 魅力の4秘湯』 （4）笹倉温泉

焼山温泉の少し上流の高台に、焼山の稜線を背にして建つ立派な鉄筋造りの一軒宿の温泉が笹倉温泉龍雲荘。秘湯の環境にあるが、秘湯感はあまり感じられないのは建物が立派すぎるせいかもしれない。

「龍雲」「千寿」「薬師」の3本の源泉を所有

早川の源流沿いに湧く温泉の発見は古く、いまから300年前と伝える。
源泉3本を有し、泉質はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉、50～63℃。
風呂は多彩で、旧館千寿荘の建物に千寿荘露天風呂と源泉かけ流しの“美肌の湯”が実感できる千寿の湯（内湯）、立派な建物の新館には展望大浴場＋露天風呂（TOPの画像）が2ヵ所ある龍雲の湯（男女入替制）、おけ風呂＋寝湯があり、充実している。
温泉三昧の宿といえるだろう。

早春の朝、フキノトウやツクシが一面に顔を出し、水が張られた田んぼに残雪を戴いた山並みが映る中、その向こうに建つ宿を眺めながらの散策は実に愉しく、清々しい気分に満たされた。
この瞬間が体感できるのも、笹倉温泉を訪ねる魅力のひとつにちがいない。

文・写真／温泉達人・飯出敏夫（温泉達人会代表）
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