龍河洞

龍河洞

岩手県岩泉町の竜泉洞、山口県秋芳町の秋芳洞とともに日本三大鍾乳洞に数えられる大鍾乳洞が高知県香美市にある龍河洞。1億7500万年前に海中から隆起して誕生した鍾乳洞は、全長4kmにおよび、東本洞、西本洞、中央洞の3つの洞窟のうち、東本洞の約1kmが公開されています。日本の地質百選に選定、国の天然記念物および史跡に指定。

日本三大鍾乳洞に数えらる大洞窟は鍾乳石が発達

窟入口(東本洞)と龍王神社
龍河洞
鍾乳石が吊り下がる洞内
龍河洞
記念の滝
龍河洞
神の壺

龍河洞の洞内には、鍾乳石や石筍(せきじゅん)、石柱などが発達し、高さ11mの洞内最大の鍾乳石・天降石や千枚岩、高さ6m・幅4mもの鍾乳石・玉簾の滝、落差11m、洞内最大の滝・記念の滝、奇怪な石筍に囲まれた万象殿など見どころも豊富。
洞内温度は15度〜18度で一定です。

龍河洞の存在は知られていたものの、長らく記念の滝で行く手を阻まれ、その先は未知の領域でした。
昭和6年6月7日、高知県立中学海南学校(現・高知県立高知小津高等学校)の教諭・山内浩(日本の洞穴学と洞窟探検のパイオニア)が同僚の松井正実と生徒とともに2時間を費やして滝に到達し、手製の板ハシゴを使って滝を乗り越え、美しい鍾乳石群を見たのが観光洞への第一歩で、地元の人を開拓・保存へとリードしたのです(山内浩『地底の神秘を探る』/昭和15年)
龍河洞入口に立つ銅像は、洞内探検に果敢に挑んだ山内浩を顕彰したもの

出口付近には約2000年前の弥生時代の生活の跡、穴居も残されています。
弥生式土器が鍾乳石と一体化した「神の壺」は、弥生時代の土器が鍾乳石に巻き込まれて取れなくなっているもので、世界中どこにも類例がない状態。
その脇には昭和12年に実験のため置かれた壺もありますが、すでにこちらも鍾乳石に取り込まれています。

一帯は浸食と陥没作用によってできたカルスト地形が広がり龍河洞県立自然公園に指定されています。

また完全予約制でナビゲーターがガイドする「冒険コース」は、前日までに龍河洞保存会TEL0887-53-2144に予約が必要。ヘルメットとヘッドランプを装着し1時間30分ほど洞窟を探検するもの。
ヘルメット、ヘッドランプは無料で貸し出されるが、レインウェア、長靴はレンタル料が必要。

龍河洞、洞内生息動物の生態の生成についての研究を行ない、弥生人穴居生活の遺物の保存展示などを行なうのが「龍河洞博物館」(年中無休、入館無料)。
南国土佐に産する特殊な珍しい鶏を集める龍河洞珍鳥センターを併設しています。

龍河洞
裏見の滝
龍河洞
七福神

取材・画像協力/(公財)高知県観光コンベンション協会

龍河洞
名称龍河洞/りゅうがどう
所在地高知県香美市土佐山田町逆川1424
関連HP龍河洞公式ホームページ
電車・バスでJR土佐山田駅から土電バス龍河洞行きで20分、終点下車。JRのいち駅からタクシーで8分
ドライブで高知自動車道南国ICから約14km。高知空港から約11km
駐車場600台/無料
問い合わせ龍河洞保存会 TEL:0887-53-2144/FAX:0887-53-2145
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
日本三大鍾乳洞

日本三大鍾乳洞とは!?

鍾乳洞(しょうにゅうどう)は、石灰洞とも呼ばれるように、石灰岩が地下水などによって浸食されて誕生した洞窟です。日本三大鍾乳洞といわれるのは、有名な山口県美祢市の秋芳洞(あきよしどう)、地底湖で有名な岩手県岩泉町の龍泉洞、そして弥生時代の遺跡

四国おすすめ鍾乳洞3洞

夏は涼しい洞窟探検! 四国おすすめ鍾乳洞3洞

四国で観光的に入洞できる鍾乳洞は、日本三大鍾乳洞に数えられる龍河洞(高知県香美市)を筆頭に、同じ高知県の猿田洞(猿田石灰洞)、そして愛媛県西予市の穴神洞遺跡(穴神鍾乳洞)です。四国には四国カルストと称されるカルスト地帯がありますが、手軽に探

秋芳洞

秋芳洞

山口県美祢市、国定公園秋吉台の地下100mにあり、龍泉洞(岩手県)、龍河洞(高知県)とともに日本三大鍾乳洞に数えられるのが秋芳洞(あきよしどう)。総延長11.2kmのうち、1kmが観光コースとして一般公開され、洞奥の琴ヶ淵から洞口まで、地下

龍泉洞

龍泉洞

岩手県岩泉町、日本三大鍾乳洞のひとつに数えられる龍泉洞(りゅうせんどう)は、洞内の長さは、わかっているだけで3631mで、全体では5000mにも達すると推定されており、「日本の地質百選」、国の天然記念物に指定。地底湖で有名で、地下に湛える水

轟の滝

香美市香北町猪野々にある物部川支流の日比原川に懸かる巨瀑が轟の滝(とどろのたき)。落差82mを豪快に水しぶきをあげて3段になって流れ落ちる滝で、「日本の滝百選」にも選定されています。春は桜、夏は深緑、秋は紅葉の名所として有名。悲しい伝説が残

よく読まれている記事

こちらもどうぞ