清水寺・仁王門

清水寺・仁王門

京都府京都市東山区、世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産・清水寺で、参詣者を仁王像が睨みをきかせて出迎える正門が、仁王門。応仁の乱の戦火で文明元年(1469年)に焼失し、明応9年(1500年)頃に再建された建築物で、国の重要文化財に指定されています。

清水寺の正門となるのが、仁王門

清水寺・仁王門
清水寺・仁王門
仁王門と西門(右側)、その奥に三重塔

正面に掲げられている「清水寺」の額は、藤原行成の筆と伝えられ、安置される金剛力士像は、鎌倉時代末期の作。
像高365cmで、京都では最大級の仁王像。
寛永6年(1629年)に本堂や三重塔、奥の院などはすべて消失し、現在の建物は寛永年間に3代将軍・徳川家光が再建したものですが、少し離れた場所にあったことが功を奏して、延焼を免れ、室町時代の建築物が現存しています。
平成15年に解体修理が行なわれ、室町時代再建の朱塗りに戻されています。

高さ14.2m、幅9.5mの大きな構えですが、清水寺の本堂周辺から御所が見えないようにするために建てられたとする説がありますが(実際には御所は少し北に位置し、さほどは目に入りません)、定かでありません。

門を正面に見て左手に、明治8年に内務省地理寮が設置した測量基準点があります。
京都の測量の基準にもなった標石で、それだけ眺望が良いという証にもなっています。
平成12年に国土地理院が発掘するまでは「仁王さんのへそ石」と呼ばれていましたが、発掘後に設置時のかたちに復元されています(京都市街27ヶ所に同様の基準点標石が置かれましたが、現存するのは清水寺仁王門だけです)。

ちなみに、仁王門前の狛犬(こまいぬ=正確には獅子)は通常の開口の阿形(あぎょう)像と、口を結んだ吽形(うんぎょう)像という阿吽(あうん)ではなく、両方とも口を開けた阿と阿。
阿吽で始まりと、宇宙、万物の始まりから終わりまでを表すのが一般的ですが、実は東大寺南大門裏の石獅子像など、中国獅子像では阿阿像だったのです。

以前は、明治44年に大阪の両替商・竹原友三郎が寄進した銅製の阿吽の中国獅子像でしたが、昭和17年に金属供出で供出され、昭和19年に再建される際に、時の貫主・大西良慶(おおにしりょうけい)和上が、今度は、没収されないようにと東大寺南大門裏の石獅子像(左右とも阿像/国の重要文化財)をモデルに、石像にしたのだとか(「それで、まあ今度、石にしといたらね、なんぼ戦がおこったかて石を持っていくちゅうことがあらへんので、もう気づかいないと思うので、今度は石に建ててもろてね」大西良慶法話)。

清水寺・仁王門
清水寺・仁王門
中国獅子の「狛犬」は、左右とも口を開いた阿像
清水寺・仁王門
名称 清水寺・仁王門/きよみずでら・におうもん
所在地 京都府京都市東山区清水1-294
関連HP 清水寺公式ホームページ
電車・バスで 京阪電鉄清水五条駅から徒歩25分
ドライブで 名神高速道路京都東ICから約7km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 清水寺 TEL:075-551-1234/FAX:075-551-1287
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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