鳴子温泉

鳴子温泉

宮城県大崎市にある鳴子温泉郷は374ヶ所の源泉を誇る大温泉郷。日本にある11種の温泉のうち9種類の温泉が揃い「温泉のデパート」とも呼ばれています。その中心的な温泉が鳴子温泉で、秋保温泉(宮城県仙台市)、飯坂温泉(福島県福島市)とともに「奥州三名湯」にも数えられています。伝統の鳴子こけしでも有名。

奥州三名湯のひとつで、泉質も多彩な温泉

天長3年(826年)の鳥屋ヶ森山(とりやがもりやま)の噴火で、現在の温泉神社で温泉が湧出したのが鳴子温泉の始まり。
シンボルでもある「鳴子こけし」は、遠刈田温泉(宮城県蔵王町)、土湯温泉(福島県福島市)と並ぶ「三大こけし発祥の地」(伝統こけし三大発祥の地)で、鳴子と遠刈田の混合が山を越えた肘折系こけし(山形県最上郡大蔵村)です。

鳴子温泉には温泉神社を源泉とする歴史ある「滝の湯」(酸性含明礬・緑礬-芒硝硫化水素泉)、昭和23年に早稲田大学理工学部土木工学科の7人の学生がボーリングの実習で源泉を掘り当てた「早稲田桟敷湯」(含芒硝・食塩-硫黄泉)という2つの共同湯があります。

鳴子温泉郷は、日本国内にある11の泉質のうち、重炭酸土類泉(炭酸水素塩泉)と放射能泉をのぞくすべての泉質がある「温泉のデパート」ですが、鳴子温泉も単純温泉、酸性含明礬・緑礬芒硝硫化水素泉、含食塩-芒硝泉、含土類芒硝泉、含芒硝-硫黄泉、含芒硝・食塩泉、酸性芒硝泉、含芒硝・食塩-硫黄泉、含土類-芒硝硫化水素泉、純食塩泉、純重曹泉、含石膏-重曹泉などと多彩。

たとえば名湯「うなぎ湯」と文化財の宿として知られる「ゆさや旅館」は、含芒硝食塩-硫黄泉と、含芒硝-硫黄泉。
開湯400年という「義経ゆかりの湯 姥の湯」は、客室数31室ながら、含重曹-芒硝泉、含芒硝-重曹硫化水素泉、含土類-芒硝泉、含芒硝-重曹泉という4つの温泉を楽しむことができ、長期滞在にも最適です。

鳴子温泉郷には、鳴子温泉のほか、鬼首温泉(おにこうべおんせん)、中山平温泉、東鳴子温泉、川渡温泉(かわたびおんせん)の合計5つの温泉があり、観光・旅館案内センター(鳴子温泉駅構内)や各旅館で販売される「湯めぐりチケット」を購入すれば5つの温泉地+赤倉温泉・瀬見温泉の旅館や入浴施設の日帰り入浴が割引になります。

鳴子温泉街のはずれには仙台藩の国境警備の関所・尿前の関(しとまえのせき)があり、出羽街道で出羽国・新庄領との往来を取り締まっていました。
『奥の細道』と途中で通行手形を所持していなかった松尾芭蕉と曾良も厳しい取り調べを受けています。
「るこの湯より尿前の関にかゝりて出羽の国に越むとす 此道旅人稀なる処なれば関守にあやしめられて漸にして関をこす」(『奥の細道』)。

また、源義経も平泉へと逃れる際に、鳴子の湯で旅の疲れを癒やしたという伝承があり、その湯が現在の「義経ゆかりの湯 姥の湯」だとされています(『鳴子町史』)。

名称 鳴子温泉/なるこおんせん
所在地 宮城県大崎市鳴子温泉湯元
関連HP 鳴子温泉郷観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR鳴子温泉駅から徒歩すぐ
ドライブで 東北自動車道古川ICから約29km
問い合わせ 鳴子温泉郷観光協会 TEL:0229-82-2102/FAX:0229-83-2094
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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