久米寺

久米寺

奈良県橿原市久米町、7世紀後半に聖徳太子の弟の来目皇子(くめのみこ)が推古天皇の眼病全快を感謝して創建したと伝えられる古刹が、久米寺(くめでら)。寺には空を飛んだという久米仙人創建という伝説も残され、正式名は霊禅山東塔院久米寺。本尊の薬師如来は、眼病に効ありと伝えられています。

空海ゆかり、「真言宗発祥の地」とも

久米寺

久米寺の境内から発掘された礎石や瓦などから、7世紀末(飛鳥時代)にはすでに堂宇が建っていたことが確認される古刹(興福寺の前身寺院である厩坂寺の遺構と推測されています)。
空海(弘法大師)は寺の東塔で真言宗の根本経典『大日経』を感得したと伝えら、空海撰文の『大和州益田池碑銘并序』(やまとのくにますだいけひめいならびにじょ)には、「来眼精舎」(くめしょうじゃ)と記されています。

遣唐使の長期留学僧として唐に渡った空海は、大同元年(806年)、博多津(現・福岡市博多区)に帰着。
大同2年(807年)、久米寺で真言密教を宣布したとされ、「真言宗発祥の地」ともいわれています(ただし空海はその時期に入京を許されず、大宰府に滞在していたとされています)。

現存する本堂は、寛文3年(1663年)再建で、安置される本尊は眼病に霊験あらたかとされる天得薬師瑠璃光如来坐像(てんとくやくしるりこうにょらいざぞう)。
桃山時代の様式を今に伝える多宝塔は、江戸時代初期の万治2年(1659年)、京・仁和寺より移築されたもので、禅宗の影響を受けた中世の塔は、国の重要文化財に指定されています。

6月初旬~7月初旬にはアジサイ園(有料)が開園し、『あじさい祈願』が行なわれ、中風除けの薄くスライスされたカボチャの酢の物料理、「仙人弁当」(要予約)を楽しむことができます。

その昔、久米仙人が作った孟宗竹の箸にちなむ、「南天箸」は、下の病を除くとされる授与品。
久米御縣神社(くめのみあがたじんじゃ)は久米寺の鎮守社で久米氏の氏神。

西国四十九薬師霊場会の第7番。
大和七福神(信貴山朝護孫子寺、久米寺、長谷寺、おふさ観音、談山神社、當麻寺中之坊、安倍文殊院)に大神神社が加わり、大和七福八宝の会を形成しています。

久米寺
名称 久米寺/くめでら
所在地 奈良県橿原市久米町502
関連HP 橿原市公式ホームページ
電車・バスで 近鉄橿原神宮前駅から徒歩5分
ドライブで 京奈和自動車道橿原高田ICから約3km
駐車場 10台/無料
問い合わせ 久米寺 TEL:0744-27-2470
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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