奈良県吉野郡吉野町、吉野山最奥の青根ヶ峰近くに位置し、吉野山の地主神(じぬしのかみ)であり、金鉱の守り神である金山毘古命(かなやまひこのみこと)を祀る神社が金峯神社。尾根沿いに続く吉野山ですが、金峯神社から奥が奥千本となります。世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の構成資産にもなっています。
金峯山の「黄金浄土」を今に伝える社
金峯山というのは吉野から大峰山に連なる山並みの総称。
古文書に「金峯山はみな黄金なり」と記されたものがあるように、金峯山にはさまざまな黄金伝説が残されていますが(『宇治拾遺物語』などに記載があります)、金峯神社は、中世以降(神仏習合時代)は修験道のための修行の場のひとつとなった地で、『栄花物語』には藤原道長も祈願したと記されています。
平安時代の私撰歴史書『扶桑略記』に引用される『道賢上人冥途記』(道賢=如意輪寺を創建した日蔵のこと)に、金峯山には浄土があり、しかも黄金に輝く極楽浄土の世界だと記されています。
つまり、背景には金峯山を黄金浄土とみなす平安時代の仏教感があったのです。
明治初年の神仏分離以前は、金精明神(こんしょうみょうじん)と称し、本地仏は阿閦如来(あしゅくにょらい)、釈迦如来、大日如来(金剛界)でした。
近くに義経が家来の弁慶などとともに身を隠したと伝わる「義経隠れ塔(蹴抜け塔)」があります。簡素な宝形造りの塔(大正初年の再建)で今も修験道の行場のひとつ。
藤原道長ゆかりの金銅藤原道長経筒は、金峯山経塚出土品(経塚は山上ヶ岳山上本堂の南方にあります)のひとつで、「寛弘四年八月十1日」の銘があり、国宝。
藤原道長が寛弘4年(1007年)に埋蔵したもので、藤原道長の日記『御堂関白記』の内容とも合致します。
金峯神社 | |
名称 | 金峯神社/きんぷじんじゃ |
所在地 | 奈良県吉野郡吉野町吉野山1651 |
関連HP | 吉野山観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | ロープウェイ吉野山駅からケーブルバスで25分、奥千本口下車 |
ドライブで | 西名阪自動車道郡山ICから約46km |
駐車場 | 20台/有料、義経隠塔下林道横 |
問い合わせ | 金峯神社TEL:090-3261-9968 |
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