吉野水分神社

吉野水分神社

吉野山上千本に鎮座する延長5年(927年)編纂の「延喜式神名帳」記載の古社が吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)。明治の神仏分離までは、金峰山の蔵王権現(金峯山寺)に属する修験道の行場で、水分神は地蔵菩薩の垂迹とされ地蔵菩薩(子守権現)を祀っていました。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産のひとつ。

世界遺産登録の社殿は、国の重要文化財

吉野水分神社
楼門
吉野水分神社
拝殿
吉野水分神社
楼門側から見た境内。拝殿(左)と本殿(右)

主祭神は、水を司る天之水分大神(あめのみくまりのおおかみ)。
宇太水分神社(うだみくまりじんじゃ/奈良県宇陀市)、葛城水分神社(かつらぎみくまりじんじゃ/御所市)、都祁水分神社(つげみくまりじんじゃ/奈良市)、とともに大和国の東西南北に鎮座する宇太(東)、葛木(西)、吉野(南)、都祁(北)の大和国四所水分社の一社で、「みくまり」が「みこもり」に転訛して子授けの神、子守明神として信仰を集めています。

『続日本紀』の7世紀末の記述などから創建当初は、大峯奥駈道途中のまさに源流に位置する青根ヶ峰(858.1m/吉野山の南端)の頂に鎮座し、まさに水を配分する神様だったと推測されています。

現社地(標高590m)へ遷座したのは806(大同元)年頃。
豊臣秀吉も吉野山を訪れ、豊臣秀頼を授かったといわれ、現存する社殿も1605(慶長10)年、豊臣秀頼の再建。
非公開ですが御神体の木造玉依姫命(たまよりひめのみこと)坐像は国宝。
秀頼再建の社殿6棟(楼門、拝殿、本殿、幣殿、回廊2棟)と木造天万栲幡千幡姫命(あめよろずたくはたちはたひめのみこと)坐像は国の重要文化財に指定されています。

春には枝垂れ桜も美しく咲きます。
毎年4月3日13:00〜『お田植祭』が斎行されています。
上千本の桜の開花期も同じ頃です(例年4月の上旬〜中旬頃)。

吉野水分神社
大峯奥駈道に面した鳥居
吉野水分神社
木造玉依姫命坐像(国宝)
吉野水分神社
名称吉野水分神社/よしのみくまりじんじゃ
Yoshinomikumari Jinja Shrine
所在地奈良県吉野郡吉野町吉野山1612
関連HP吉野山観光協会公式ホームページ
電車・バスで近鉄吉野山駅から徒歩1時間30分。または、ロープウェイ山上駅からバス(観桜期は交通規制のため運行なし)で奥千本口下車、徒歩20分
ドライブで西名阪自動車道郡山ICから約35km
駐車場社殿横・北側(2台/無料)、観桜期は下千本駐車場(400台/有料)を利用
問い合わせ吉野水分神社 TEL:0746-32-3012
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
都祁水分神社

都祁水分神社

奈良県奈良市都祁友田町にある古社が、都祁水分神社(つげみくまりじんじゃ)。水分神社は奈良県下に葛木、吉野、都祁、宇陀の4社がありますが、田畑の潅漑を司る神を祀る社。社伝によれば飛鳥時代の創建という古社で、聖武天皇が伊勢行幸の際に使用した堀越

葛木水分神社

葛木水分神社

奈良県御所市、水越峠(みずこしとうげ)の東麓にある古社が、葛木水分神社(かつらぎみくまりじんじゃ)。水分神社は奈良県下に葛木、吉野、都祁、宇陀の4社がありますが、田畑の潅漑を司る神を祀る社。水分は水配の意で、金剛山・葛城山一帯の水を差配する

宇太水分神社

宇太水分神社

奈良県宇陀市、芳野川沿いに建つ古社が、宇太水分神社(うだみくまりじんじゃ)。水分(みくまり)とは水配りが変化した言葉で、社伝によれば、崇神天皇の命により創建されたと伝えられます。現存する本殿は、元応2年(1320年)の築で国宝。春日造の本殿

高城山展望台

高城山展望台

奈良県吉野郡吉野町、吉野山の奥千本にある標高698mのピークにある展望台が、高城山展望台(たかぎやまてんぼうだい)。後醍醐天皇が鎌倉幕府の倒幕に立ち上がった元弘の乱(げんこうのらん)の際、大塔宮(おおとうのみや=護良親王)が本陣とした吉野城

吉野山・上千本

吉野山・上千本

吉野山の桜は、山麓から山上に向かって下千本(しもせんぼん)、中千本、上千本(かみせんぼん)、奥千本と続きますが、山上で眺めが良いのが上千本。雲井の桜、上千本、布引の桜、天人桜、夢見桜そして絶景の花矢倉展望台などがあります。標高は390m~6

吉野山・下千本

吉野山・下千本

吉野山の玄関口にある広大な駐車場、下千本駐車場周辺の桜が下千本。吉野山では最初に開花するエリアで、吉野の春はこの下千本から始まります。近鉄吉野駅から七曲坂を歩いて上がると20分ほどで吉野山・下千本に到達します。嵐山の桜、関屋桜、千本桜、花園

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