文禄3年2月27日(1594年4月17日)の太閤秀吉の吉野での花見は、吉水院(現在の吉水神社)が本陣となりました。花見に際して豊臣秀吉自らが基本設計を行なったと伝えられる桃山式の庭園が、吉水神社の庭園。神仙思想による「不老長寿」を願う鶴亀蓬莱の庭になっています。
平成に甦った豊臣秀吉作庭と伝わる鶴亀の庭
積み重なる歳月で荒廃していた庭園を、4年後の慶長3年3月15日(1598年4月20日)、豊臣秀吉が「醍醐の花見」に際してやはり自ら基本設計をしたと伝えられる京都、醍醐寺三宝院の庭園(国の特別史跡・特別名勝)を参考に、庭園復元工事を実施、美しい庭が見事に復活しています。
池は海を現し、背後の築山(つきやま)は東海のかなたにあり仙人が住むと信じられた蓬来山の須弥山石組み。
露地を隔てて両側に鶴島、亀島が浮かび、蓬莱島への船を表現した船石が置かれています。
飛鳥時代に入ってきた神仙蓬莱思想。
桃山時代から江戸時代にかけて、蓬莱山や松に鶴、亀の島といった古来吉慶祝儀をあらわすようになりました。
これが鶴亀の庭(つるかめのにわ)です。
不老不死を祈念する鶴亀蓬莱を表現する石組みと、書院造の住宅様式が相まった書院式庭園を戦国大名は競って築きましたが、豊臣秀吉が指示した吉水院(吉水神社)庭園と醍醐寺三宝院庭園はその貴重な例です。
江戸時代に築かれた池泉回遊式の大名庭園とは趣を大きく異にしています。
吉水神社庭園 | |
名称 | 吉水神社庭園/よしみずじんじゃていえん |
所在地 | 奈良県吉野郡吉野町吉野山579 |
関連HP | 吉水神社公式ホームページ |
電車・バスで | ロープウェイ吉野山駅から徒歩10分 |
ドライブで | 西名阪自動車道郡山ICから約35km |
駐車場 | 中門横・一目千本展望台(8台/無料)、観桜期は下千本駐車場(400台/有料)を利用 |
問い合わせ | 吉水神社 TEL:0746-32-3024 |
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