五社神古墳(神功皇后陵)

五社神古墳(神功皇后陵)

奈良県奈良市山陵町にある墳丘長267mの巨大な前方後円墳が、五社神古墳(ごさしこふん)。全国13位、奈良県内5位の巨大古墳で、宮内庁から狭城盾列池上陵(さきのたたなみのいけのえのみささぎ)として仲哀天皇皇后である神功皇后陵にに治定されています。

奈良盆地北部に築かれたヤマト王権の大王墓

初期ヤマト王権の王墓を多く含む古墳群として知られ、平城宮跡北側に広がる佐紀盾列古墳群(さきたてなみこふんぐん)の1基。
その佐紀盾列古墳群を代表する大型古墳が、五社神古墳。
年代的には佐紀陵山古墳(さきみささぎやまこふん)→垂仁陵古墳(宝来山古墳)→佐紀石塚山古墳(さきいしづかやまこふん)→五社神古墳となっています。
被葬者は明らかではありませんが、ヤマト王権の大王墓というのが定説。

神功皇后陵に治定されたのは、幕末の文久3年(1863年)〜文久4年(1864年)のこと。

佐紀丘陵の尾根の末端を切断して築造された5世紀前半頃の古墳で、五社神の名は、かつて後円部墳頂あった祠(五社権現)の名前から。
巨大な前方後円墳の周囲には周濠が巡らされていますが、築造当時には周濠はなく、後に築かれたものと推測されています。

天皇陵であることから宮内庁が管理し、立ち入りは不可。
「神功皇后狭城盾列池上陵 拝所」から遥拝、見学する仕組みです。

平成20年2月22日に陵墓では初めてとなる考古・歴史学16学会代表立ち入り調査が実施されています(陵墓への初の学会立ち入り調査ですが、立ち入りが許可されたのは1段目のテラスまでで、発掘は不可)。
墳丘は後円部が4段、前方部が3段の構造で、斜面に葺石が配され、テラスには埴輪(円筒・朝顔形・壺形・盾形・家形・蓋形埴輪)が並んでいたことがわかっています。

また、調査で判明した円筒埴輪列などから、それまで4世紀末~5世紀初めとされた築造時期も、やや新しくなる(5世紀前半)のではないかといわれています。

五社神古墳(神功皇后陵)
名称 五社神古墳(神功皇后陵)/ごさしこふん(じんぐうこうごうりょう)
所在地 奈良県奈良市山陵町宮ノ谷
電車・バスで 近鉄平城駅から徒歩10分
問い合わせ 奈良市埋蔵文化財調査センター TEL:0742-33-1821/FAX:0742-33-1822
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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