大阪府大阪市中央区大阪城、国の特別史跡となっている大阪城公園で、大手門を守備する隅櫓(すみやぐら)が、千貫櫓。大手門を北側から防御する役割を担った2層の櫓で、元和6年(1620年)創建、国の重要文化財に指定されています。昭和36年に解体修理が行なわれています。
乾櫓とともに大阪城公園に現存する最古の建築物
千貫櫓の名は、石山本願寺を攻めた織田信長軍がこの付近にあった隅櫓からの横矢に悩まされ、「銭千貫文出しても取りたい櫓だ」と言わせたことに由来するといわれますが、現存する櫓は徳川幕府が天下普請(てんかふしん)で築いた当初のもの。
石山本願寺攻めとなると、それ以前にあった豊臣時代の城郭のさらに前の話ということに(後世の櫓にもその名が引き継がれたのは、難攻不落を世に伝えたかったから)。
大坂城の天下普請は、元和6年(1620年)に始まり寛永7年(1630年)に終了しているので、もっとも初期の段階に、重要な大手門守備の櫓を建築したことがわかります。
作事奉行は、駿府城普請奉行も務めた小堀政一(こぼりまさかず/小堀遠州)。
昭和34年から実施の解体修理の際、土台の木材から「御はしら立元和六年九月十三日」の墨書が見つかり、この櫓の柱立式の日が明らかになったのです。
内部は、1層・2層とも回廊(武者走り)の内側に4室ずつの天井板張りの部屋が配され、大手土橋を睨む鉄砲狭間、石垣を上る敵兵に石を落とす石落としが設けられています。
特別公開時のみ内部見学が可能。
石垣には熊本藩主・加藤忠広の刻印があるので、大手門桝形の巨石(大手見付石、二番石、三番石)を小豆島から運んだ加藤忠広の担当ということがわかります。
大阪城公園・千貫櫓 | |
名称 | 大阪城公園・千貫櫓/おおさかじょうこうえん・せんがんやぐら |
所在地 | 大阪府大阪市中央区大阪城3-11 |
関連HP | 大阪城公園公式ホームページ |
電車・バスで | 大阪メトロ・京阪天満橋駅から徒歩13分 |
ドライブで | 阪神高速13号東大阪線森之宮出口から約800m |
駐車場 | 大阪城公園駅前駐車場(171台/有料)、森ノ宮駐車場(100台/有料) |
問い合わせ | 大阪城パークセンター TEL:06-6755-4146/FAX:06-6755-4149 |
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