別府市北西・扇山の麓に位置し、街のそこここから湯けむりが立ち上る温泉場が、別府八湯のひとつ鉄輪温泉(かんなわおんせん)。その鉄輪の名物のひとつが、別府市営の鉄輪むし湯です。1276(建治2)年、一遍上人の開湯と伝えられる古湯で、ちょっぴり原始的ながら薬効たっぷりの薬草サウナが自慢です。
サウナのような石室で薬草の香りに包まれる
鎌倉時代に「玖倍理湯の井」といわれた荒地獄の温泉熱を利用して、一遍上人創設したのがこの蒸し湯。
鉄輪むし湯では、8畳ほどの小さな石室に石菖(セキショウ=ショウブ科ショウブ属)という薬草を敷き詰め、その上に横になるという鎌倉時代から伝わる温泉療法が体験できます。
熱せられた床から立ち上る薬草のよい香りに包まれながら、たっぷりと発汗。
現代中国生薬でショウブとは石菖のことで、五月の菖蒲湯ももともとはこの石菖(セキショウ)だったとか。
石菖(セキショウ)の葉を床に敷いて高温で蒸すことによって、鎮痛効果があるテルペンを成分とする芳香が放出。
皮膚や呼吸器から体内に吸収するようにして、神経痛や痛風の治療に用いるもの。
服を着たまま入るのでTシャツ、短パンを持参か、貸浴衣を着用のこと。
「豊後鉄輪、むし湯の帰り、肌に石菖の香が残る」と野口雨情も詠んでいます。
仕上げにはかけ流しの浴槽へ(内湯だけの利用も可)。
鉄輪むし湯は、男女別に最大8名同時利用可能ですが、混雑時には待つことも。
時間に余裕を持って入場を。
浴槽の湯は、ナトリウム−塩化物泉(塩化物泉)。
蒸し湯は源泉温度99.5度の単純温泉を利用しています。
すぐ目の前には単純温泉を使った足蒸しもあり、こちらは無料で利用が可能。
鉄輪むし湯 | |
名称 | 鉄輪むし湯/かんなわむしゆ |
所在地 | 大分県別府市鉄輪上1組 |
関連HP | 別府市公式ホームページ |
電車・バスで | JR別府駅から亀の井バス鉄輪方面行きで30分、鉄輪下車、徒歩5分 |
ドライブで | 東九州自動車道別府ICから約4.2km |
駐車場 | 13台/無料 |
問い合わせ | 鉄輪むし湯 TEL:0977-67-3880 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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