埼玉県の県名発祥の地、行田市埼玉(さきたま)にある埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)のビジターセンターが埼玉県立さきたま史跡の博物館。5世紀末〜7世紀初め頃までに築造された9基の大きな古墳が埼玉古墳群で、「さきたま風土記の丘」として整備されています。その中心施設が埼玉県立さきたま史跡の博物館です。
国宝展示室には稲荷山古墳出土の国宝5点も展示
埼玉県立さきたま史跡の博物館の国宝展示室には稲荷山古墳から出土した国宝「金錯銘鉄剣」(こくほうきんさくめいてつけん)をはじめ、国宝「画文帯環状乳神獣鏡」(がもんたいかんじょうにゅうしんじゅうきょう)、国宝「龍文透彫帯金具」(りゅうもんすかしぼりおびかなぐ)、国宝「f字形鏡板付轡」(えふじがたかがみいたつきくつわ)、国宝「鈴杏葉」(すずぎょうよう)、国宝「三環鈴」(さんかんれい)や、将軍山古墳出土の馬冑(ばちゅう)、瓦塚古墳の周濠から出土した人物埴輪(琴を弾く男子)、稲荷山古墳の周濠から出土した武人埴輪頭部などを展示しています。
国宝「金錯銘鉄剣」には、表面57文字、裏面58文字の計115文字と、古墳時代の刀剣に刻まれた銘文としては最長の銘文が刻まれています。「辛亥年(しんがいのとし)」とあるので、西暦471年の剣と推定されています。
国宝「画文帯環状乳神獣鏡」は、八幡観音塚古墳(群馬県高崎市)出土鏡、台古墳(千葉県大多喜町)出土鏡など5つの鏡と同じ絵柄で、外区には竜や虎、亀、馬車などが神仙を乗せて走る絵柄に太陽や月の運行が描かれ、内区には東王父・西王母・伯牙弾琴など4人の神仙と神仙を背に乗せる竜や虎が描かれています。
中国の道教思想に基づく絵柄で、古代の大陸、そしてヤマト王権との結びつきを示す貴重な史料となっています。
「f字形鏡板付轡」は、馬の口に噛ませる銜(はみ)、手綱(たづな)を取り付ける引手(ひって)、銜の外側で馬の口の側面の飾り板である鏡板(かがみいた)からなる金具で、朝鮮半島からの渡来品の可能性もあります。
企画展示室ではテーマに応じた企画展を開催。
別館として将軍山古墳に併設の、将軍山古墳展示館があり、石室などを再現しているのであわせて見学を。
埼玉県立さきたま史跡の博物館 | |
名称 | 埼玉県立さきたま史跡の博物館/さいたまけんりつさきたましせきのはくぶつかん Saitama Prefectural Museum of the Sakitama Ancient Burial Mounds |
所在地 | 埼玉県行田市埼玉 |
公式HP | 埼玉県立さきたま史跡の博物館公式ホームページ |
電車・バスで | JR吹上駅から朝日バス佐間経由行田車庫行きで15分、産業道路下車、徒歩15分。JR北鴻巣駅からさきたま緑道を徒歩1時間 |
ドライブで | 東北自動車道羽生ICから約14km |
駐車場 | さきたま古墳公園駐車場(295台/無料) |
問い合わせ | 埼玉県立さきたま史跡の博物館 TEL:048-559-1111 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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