2024年2月28日(水)〜11月4日(月・振替休)9:00~17:00(最終受付16:30)、山形県酒田市の山王くらぶで『第19回湊町酒田の傘福』が開催。酒田の傘福は、九州・柳川のさげもん、伊豆稲取のつるし飾りとともに、日本三大つるし飾りのひとつ。「山王くらぶ」は港都・酒田を代表する料亭で、国の登録有形文化財。
酒田商工会議所女性会が伝統の傘福を復活!
「傘福」は、江戸時代から酒田に伝わるつるし飾りのひとつ。
かつて酒田市には女性たちが一針一針心を込めて子孫繁栄や無病息災、家族の幸せを願い細工物を傘に吊るし、地元の神社仏閣に奉納した風習がありました。
日枝神社(ひえじんじゃ)の例大祭『山王祭』の渡御行列に登場する亀傘鉾(かめかさほこ)は京の職人の手によるものですが、傘福は、地元の女性たちの手づくり。
傘に天蓋(てんがい)が付いているのが大きな特徴です。
『湊町酒田の傘福』は、平成17年、酒田商工会議所女性会が創立25周年の記念事業としてその傘福を復活させたもの。
宝尽くしなど祭礼の際に飾った物や、観音信仰として奉納した物などがありましたが、現在は、その両方を合わせ人々の幸福を願うものとして制作されています。
「なす」は大願を成す、「さるっこ」は災いが去る、「花」は花のようにかわいい子に育ちますように、「海老」はともに腰が曲がるまで夫婦円満に、「鞠」(まり)は円満に美しくなど、飾り物一つひとつに意味があります。
「山王くらぶ」2階傘福の間には、「酒田傘福」を常設展示していますが、『第15回湊町酒田の傘福』期間中、大広間に傘福を展示。
事前の予約で傘福制作体験も可能です(山王くらぶ2階)。
傘福の由来は定かではありませんが、北前船で運ばれたという説が有力です。
江戸時代の後期、御殿女中や武家、商家などの裕福な家庭の女性達によって、ちりめんの残り布を縫いつなぎ、美しく愛らしい袋物や小箱が生み出されましたが(ちりめん細工)、それを吊るしたのが始まりだと推測でき、そんな京文化が北前船で運ばれたのかもしれません(明治時代には、ちりめん細工は女学生の教材になっていました)。
なお、「山王くらぶ」の建物は日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の構成文化財にもなっています。
期間中は、山王くらぶへの入館料は特別展示料金となります(傘福展の開催期間中は無休)。
山王くらぶ『第19回湊町酒田の傘福』|2024 | |
開催日時 | 2024年2月28日(水)〜11月4日(月・振替休)9:00~17:00(最終受付16:30) |
所在地 | 山形県酒田市日吉町2-2-25 |
場所 | 山王くらぶ |
関連HP | 山王クラブ公式ホームページ |
電車・バスで | JR酒田駅から庄内交通バスで中町下車、市営循環バスで市役所東または市役所西下車 |
ドライブで | 日本海東北自動車道酒田中央ICから5.5km |
駐車場 | 山王クラブ駐車場(34台) |
問い合わせ | 山王くらぶ TEL:0234-22-0146 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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