日光二荒山神社

日光二荒山神社

延暦9年(790年)、日光開山の勝道上人(しょうどうしょうにん)が男体山(なんたいざん)に登拝し、本宮(現・本宮神社)を建立したのが始まりという古社、日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)。日光東照社(現・日光東照宮)造営までは日光山輪王寺とともに日光山岳信仰(神仏習合)の中心。日光二社一寺のひとつ。

現在の本社は、江戸時代までの新宮権現

二荒山(ふたらさん)とは男体山のこと。
男体山を神の鎮まり給う御山として尊崇したことから御神体と仰ぐ古社です。
日光連山の中心部が神域でその広さは3400haにも及び、華厳の滝も神域にあります。

祭神は、大己貴命(おおなむちのみこと=男体山)、田心姫命(たごりひめのみこと=女峰山)、耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと=太郎山)。
中世には仏教と神仏習合し、本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ=神々は様々な仏が化身として日本の地に現れた権現であるという考え)によって、それぞれ千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音が本地仏とされました。

江戸時代までは神仏習合の日光山でしたが、明治初年の神仏分離で、日光山輪王寺、日光二荒山神社、日光東照宮の二社一寺に分割されています。
千手観音、阿弥陀如来、馬頭観音は、日光山輪王寺の本堂(三仏堂)に祀られていますが、もとは、習合(混淆)していたのです。

男体山山頂に奥宮、中禅寺湖畔に中宮祠、日光山内に本社(新宮権現)で、別宮の本宮神社(本宮権現)、滝尾神社(滝尾権現)と日光三社権現を形成しています。
本社の本殿、拝殿はともに徳川2代将軍秀忠の建立。
現存する日光最古の建造物で、重要文化財に指定、世界文化遺産「日光の社寺」の構成資産になっています。
本社の神苑(有料エリア)にある池泉「二荒霊泉」は眼病や若返りに効果があるといわれ、近くの休憩所でこの水を使用した抹茶やコーヒーを味わうこともできます。

本社の脇から滝尾神社を結ぶ峠越えの日光史跡探勝路も整備されていますが、人通りの少ない山道なので、なるべくならグループで行動を。

三山 三仏 三所 三神 三社
女峰山 阿弥陀如来 女体権現 田心姫命 滝尾権現
男体山 千手観音 男体権現 大巳貴命 新宮権現
太郎山 馬頭観音 太郎大明神 味耜高彦根命 本宮権現
名称 日光二荒山神社/にっこうふたらさんじんじゃ
所在地 栃木県日光市山内2307-1
関連HP 日光二荒山神社公式ホームページ
電車・バスで JR日光駅・東武日光駅から世界遺産めぐり循環バスで13分、大猷院二荒山神社前下車
ドライブで 日光宇都宮道路日光ICから約3.6km
駐車場 100台/有料
問い合わせ 日光二荒山神社 TEL:0288-54-0535
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
日光二荒山神社・本殿

日光二荒山神社・本殿

日光二荒山神社の祭神3柱、大己貴命(おおなむじのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこと)、味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)を祀る神殿が本殿。2代将軍・徳川秀忠の発願で、元和5年(1619年)の創建。正保2年(1645年)、諸社堂造

二荒山神社・拝殿

日光二荒山神社・拝殿

日光二社一寺のひとつ、二荒山神社。拝殿は、元和5年(1619年)に創建され、徳川家光による寛永の大造替後の正保2年(1645年)、本殿の移転に伴い再建されたもので国の重要文化財に指定、世界文化遺産「日光の社寺」の構成資産にもなっています。屋

日光二荒山神社・日枝神社

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日光二荒山神社・朋友神社

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日光二荒山神社・神輿舎

日光二荒山神社・神輿舎

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日光二荒山神社・化け灯籠

日光二荒山神社・化け灯籠

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日光二荒山神社・二荒霊泉

日光二荒山神社・二荒霊泉

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本宮神社

本宮神社

栃木県日光市、日光山内の入口、神橋・日光橋近くの高台に建つのが本宮神社。日光二荒山神社の別宮ですが、神護景雲元年(767年)、前年に紫雲龍寺(四本龍寺)の堂を建立した勝道上人(しょうどうしょうにん)が創建という日光開山の歴史を秘めた古社。世

日光二荒山神社『弥生祭』

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毎年4月13日〜4月17日、栃木県日光市の日光二荒山神社で『弥生祭』が斎行されます。日光に春を告げる『弥生祭』は、旧暦3月に行なわれたためその名があります。神社祭典は4月13日〜4月17日まで行なわれ、大祭の4月17日に付祭として、東西11

日光史跡探勝路(滝尾神社コース)

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