下山芸術の森発電所美術館

下山芸術の森発電所美術館

富山県下新川郡入善町下山、大正15年に建設されたレンガ造りの水力発電所(黒部川電力黒部川第二発電所)を再生した美術館が、下山芸術の森発電所美術館。建物自体も国の登録有形文化財で、館内には発電所の趣を今に伝えようと、3機あった発電機のうち1機がそのままの状態で保存されています。

レンガ造りの水力発電所を再生し、企画展を随時開催

取り壊される予定だった黒部川第二発電所を北陸電力から譲り受け、リノベーションした美術館で、天井の高いスペースを生かし企画展(おもに現代美術作家の新作展)が開催され、注目されています。
ただし、発電所の施設や仕組みを紹介する場所ではないのでご注意を(車で30分ほどの宇奈月温泉にある「黒部川電気記念館」がその役目を担い、黒部川電源開発の歩みなどを紹介しています)。
作家の現地制作による新作展が中心ということで、準備や撤去のため展覧会の前後に2週間〜1ヶ月ほど休館することがあるので、事前に開館日を確認して来訪を。

レンガづくりの水槽上屋を改装したカフェ「くりこども飯店」や黒部川扇状地に広がる散居村と、白馬岳や朝日岳などの北アルプスを一望にする展望塔、アトリエ、制作者のための宿泊施設も併設。

ちなみに、黒部川電力は、大正12年、川北榮夫(川北電気企業社)によって大阪市に創立され、大正15年、高低差23mという河岸段丘の落差と農業用用水を活用した黒部川第一・第二発電所の各1・2号機(出力合計7600kW)が完成し、富山電気と電気化学工業青海工場に供給したのが始まりです(戦後、北陸電力に移管)。
農業用水路の改修により、平成4年に発電を停止し、隣地に新たに黒東第三発電所ができ運転を開始しています。

入善町には、じょうべのま遺跡(平安時代前期と鎌倉時代前期の荘園の荘所)、沢スギ自然館(杉沢の沢スギ)、黒部川扇状地湧水群などがあるので、時間が許せばぜひお立ち寄りを。

下山芸術の森発電所美術館
名称 下山芸術の森発電所美術館/にざやまげいじゅつのもりはつでんじょびじゅつかん
所在地 富山県下新川郡入善町下山364-1
関連HP 入善町公式ホームページ
電車・バスで あいの風とやま鉄道入善駅からタクシーで5分
ドライブで 北陸自動車道入善スマートICから約3km
駐車場 25台/無料
問い合わせ 下山芸術の森発電所美術館 TEL:0765-78-0621
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
黒部川電気記念館

黒部川電気記念館

富山県黒部市、宇奈月温泉の黒部峡谷鉄道のトロッコ列車が発着する宇奈月駅の駅前にある関西電力のミュージアムが黒部川電気記念館。映画『黒部の太陽』(昭和43年年)に象徴される黒部川の電源開発を詳細に解説する博物館で、黒部峡谷探勝の前後に、ぜひ立

じょうべのま遺跡

じょうべのま遺跡

富山県入善町の黒部川の右岸扇状地末端、海岸線に接して展開する遺跡が、じょうべのま遺跡。平安時代初期に栄えた荘園の管理所(荘所)跡と推測される遺跡(国の史跡)で、一帯は史跡公園として整備されています。現在のところ、東大寺領丈部荘(はせつかべし

沢スギ自然館(杉沢の沢スギ)

沢スギ自然館(杉沢の沢スギ)

富山県入善町(にゅうぜんまち)吉原の海岸近くに国の天然記念物に指定された「杉沢の沢スギ」があり、そのビジターセンターとなる施設が「沢スギ自然館」。黒部川扇状地の末端部、海岸に近い自然湧水帯に生育するスギ林で、130haあった杉林のうち、2.

黒部川扇状地湧水群

黒部川扇状地湧水群

富山県黒部市と入善町にまたがる黒部川の扇状地では各地で水が湧いています。これが地元で「ほりぬきの水」と呼ばれる北アルプス立山連峰の伏流水。環境省の名水百選にも選定されています。黒部市生地地区には、18ヶ所の湧水ポイントがあり生活に利用されて

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ