富山県黒部市と入善町にまたがる黒部川の扇状地では各地で水が湧いています。これが地元で「ほりぬきの水」と呼ばれる北アルプス立山連峰の伏流水。環境省の名水百選にも選定されています。黒部市生地地区には、18ヶ所の湧水ポイントがあり生活に利用されているが個人宅で利用するのを含めると600の湧水スポットがあるとか。
「ほりぬきの水」と呼ばれる北アルプスの湧水
北アルプス鷲羽岳、黒部五郎岳を源流とする黒部川。
黒部川扇状地は、扇頂から扇端までの距離が13.5km、扇頂角60度の典型的で、日本一大きな扇状地。
扇状地の扇端部では、伏流水が湧水や自噴水となり、その一部が「黒部川扇状地湧水群」となっています。
さらに伏流水は富山湾の海底から湧き出し、魚介類に豊富な淡水性のミネラルを与えて、豊かな漁業資源を支えているのです。
黒部市生地地区の清水(しょうず)は、現在も湧水から湧出した水を、飲用、野菜や衣類の洗物に利用され、「清水庵の清水」など共同洗い場だけでも地区内に6ヶ所もある湧水の町。
隣にあった豆腐店が絹ごし豆腐を作っていたことが名の由来という「絹の清水」などの「清水めぐり」を楽しむことができます。
生地駅前の湧水、「清水の里」(しょうずのさと)は、地下60mから湧く水で、水温は常時11度と冷涼(冬は温かく感じます)。
かつては蒸気機関車の機関士も利用した水で、浦山一雄作の『コートの少女』像も立っています。
入善町にも名水をシンボル化した公園「扇状地湧水公苑」のほか、高瀬湧水の庭(黒部川扇状地の真ん中に位置する湧水スポット)、さらには湧き水が流れる湿地から伸びる不思議なスギの生態が観察できる杉沢の沢スギなどがあります。
富山県では、立山玉殿の湧水、瓜裂清水、穴の谷の霊水、そして黒部川扇状地湧水群の4ヶ所が「名水百選」に選定されています。
黒部川扇状地湧水群 | |
名称 | 黒部川扇状地湧水群/くろべがわせんじょうちゆうすいぐん |
所在地 | 富山県黒部市生地265 |
関連HP | 黒部市公式ホームページ |
電車・バスで | あいの風とやま鉄道生地駅から徒歩5分 |
ドライブで | 北陸自動車道黒部ICから約6km |
駐車場 | 魚の駅生地駐車場、生地駅、扇状地湧水公苑などを利用 |
問い合わせ | 黒部市商工観光課 TEL:0765-54-2611/FAX:0765-54-2607 |
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