潮岬灯台

徳川幕府が1866(慶応2)年5月に、アメリカ、イギリス、フランス、オランダの4ヶ国と結んだ江戸条約(改税条約)で設置が決定した8灯台(観音埼、野島埼、樫野埼、神子元島、剱埼、伊王島、佐多岬、潮岬)のうちのひとつが潮岬灯台。歴史的・文化的価値が高いAランクの保存灯台に指定されているほか、「日本の灯台50選」に選定。

本州最南端に位置する灯台は参観もOK!

本州最南端の参観灯台
内部の螺旋(らせん)階段

本州最南端の沖は日本屈指の海の難所であることから建設が急がれました。
「灯台の父」と呼ばれるイギリス人技師、R・H・ブラントン(Richard Henry Brunton)の設計で明治6年9月15日に初点灯しています。
串本町にある樫野埼灯台(かしのざきとうだい)はブラントン設計の日本最古の石造灯台ですから、歴史的な保存灯台が近接していることになります。

当初の灯台は、八角形で日本初の洋式木造灯台でしたが明治11年石造灯台に改築されています。
使用された石は、古座川町産の宇津木石です。

現在のする潮岬灯台は、明治11年改築の歴史あるもの。標高49.47mの灯火部分まで上ることができる参観灯台で、灯台資料館も併設。

冬場に限り、太平洋の東から日が昇り、西に落ちるという光景が目にできる場所で、周辺は初日の出の人気スポットになっています。

灯台近くに建つ潮御崎神社(しおのみさきじんじゃ)は、社伝によれば古代(景行天皇の御代)からこの地に鎮座する古社で、『日本書紀』に「少彦名命、行きて熊野の御崎に至りて、遂に常世郷に適しぬ」と記される「常世郷」(古代日本で信仰された、海の彼方にあるとされる異世界、理想郷)は潮岬なのだとか。

潮岬灯台周辺の海岸では、海底火山の産物である枕状溶岩や岩脈群、化学成分の異なるマグマ同士からできた火成岩の境界を観察することが可能で、「潮岬の火成岩」、「潮岬の海岸段丘」として南紀熊野ジオパークのジオスポットになっています。

経済産業省の近代化産業遺産(「安全な船舶航行に貢献し我が国の海運業等を支えた燈台等建設の歩みを物語る近代化産業遺産群」)にも認定

潮岬灯台
名称潮岬灯台/しおのみさきとうだい
所在地和歌山県東牟婁郡串本町潮岬
関連HP串本町公式ホームページ
電車・バスでJR串本駅から熊野交通バス潮岬行きで17分、潮岬灯台前下車、徒歩すぐ
ドライブで阪和自動車道南紀田辺ICから約77km
駐車場50台/有料
問い合わせ燈光会潮岬支所 TEL:0735-62-0141
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
保存灯台Aランク 近畿

海上保安庁の保存灯台Aランク 近畿4灯台

近畿には江戸条約(改税条約)で設置が決定した潮岬灯台のほか、兵庫開港に伴って大坂条約によって建設された友ヶ島灯台(国の重要文化財)、江埼灯台(国の重要文化財)など歴史的な灯台が現存。加えて近畿最北端に建つ経ヶ岬灯台(国の重要文化財)がAラン

潮岬

潮岬

和歌山県東牟婁郡串本町、串本市街と砂洲で結ばれた陸繋島の先端で、太平洋に臨む本州最南端の岬が潮岬(しおのみさき)。本州最南端はクレ崎と呼ばれる地です。平坦な海食台地の岬で、40m以上の海食崖が連なり、突端には白亜の潮岬灯台が建っています。潮

クレ崎

本州最南端の潮岬。国土地理院の地図を見ると、正確には潮岬という突端はなく、潮岬灯台が建つのは御崎(みさき)、そして芝生が広がる潮岬南端の台地の先に位置するのがクレ崎で、ここが真の本州最南端。本州最南端の岬は磯釣りの人気スポット釣り人には有名

潮岬観光タワー

潮岬先端の海岸台地に建つ熊野交通グループ経営の潮岬観光タワー。7階が展望台になっており、入場者(大人)には本州最南端訪問証明書が発行されています。望楼の芝生を眼下に、潮岬灯台、紀伊大島から那智山まで一望に。別館の2階には売店、海を眺めながら

 

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