立石寺・芭蕉句碑

立石寺・芭蕉句碑

松尾芭蕉は『奥の細道』行脚の途中、元禄2年5月27日(1689年7月13日)に尾花沢から立石寺を訪れ、有名な「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」の句を詠んでいます。根本中堂の脇には、幕末の嘉永6年(1853年)、門人により建立された句碑が立っています。

「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」の句碑

芭蕉の句碑には、右側面に、福島大円寺の住職・高梨一具(たかなしいちぐ)の「左羽に 夕日うけつゝ ほとときす」の句が刻まれ、左側面には村山地方でトップクラスの大地主・半沢二丘(半沢久次郎)の「楽書は笹の葉にある清水かな」と弥左衛門川丈の「花咲かぬ草木より風薫りける」の句が彫られています。

芭蕉一行は、尾花沢で「立石寺は一見の価値がある」と聞いてわざわざ寄り道したのですが、到着が夕方に。
岩を這うようにして仏閣を参拝しましたが、各お堂の扉は閉ざされていました。
そんなことも「閑かさ」という情景につながっているのです。

蝉の声の蝉については、アブラゼミ、ニイニイゼミかとの論争がありましたが、芭蕉が山寺を訪れた7月13日(旧暦5月27日)ごろ鳴き出しているのはニイニイゼミだといわれています。
とはいえエゾハルゼミ、ヒグラシの可能性も残され、真相は定かでありません。
「山寺の蝉」は環境省の日本の音風景100選にも選定され、せみ塚付近がそのポイントとのこと。

立石寺・芭蕉句碑
名称立石寺・芭蕉句碑/りっしゃくじ・ばしょうくひ
所在地山形県山形市山寺4456-1
関連HP立石寺公式ホームページ
電車・バスでJR山寺駅から徒歩5分
ドライブで山形自動車道山形北ICから約10.6km
駐車場150台/有料
問い合わせ立石寺山門寺務所 TEL:023-695-2843
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
立石寺

立石寺

山形県山形市山寺、山寺の通称で知られる立石寺(りっしゃくじ)は、貞観2年(860年)、慈覚大師(円仁)が創建したと伝わる天台宗の古刹。実際の開祖は安慧(あんね)で、『奥の細道』で、芭蕉が訪れ「閑(しづ)かさや岩にしみ入る蝉の声」の句を詠んだ

山寺芭蕉記念館

山寺芭蕉記念館

山形県山形市山寺、山形市制施行100周年と、奥の細道300周年を記念して、有名な「閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声」を詠んだ山寺(立石寺)門前に建てられた山形市営の博物館が山寺芭蕉記念館。景観に配慮して設計された和風平屋建ての館内には芭蕉真筆

山刀切峠

山刀伐峠

山形県最上郡最上町と尾花沢市の境に位置する標高470mの峠が山刀伐峠(なたぎりとうげ)。最上地区と尾花沢を結ぶ山越えの古道で、『奥の細道』で松尾芭蕉もこの峠を越えて山寺へと向かっています。かつては難所といわれ、当時は案内人をたてても迷うほど

立石寺・根本中堂

立石寺・根本中堂

山寺と通称される宝珠山立石寺(山形県山形市)は、比叡山延暦寺の分院で、貞観2年(860年)に円仁(慈覚大師)が創建。本堂にあたる根本中堂は、延文元年(1356年)、初代山形城主・斯波兼頼(しばかねより)が再建したもので、国の重要文化財に指定

山形・山寺に泊まるなら、取材班おすすめの宿は!?

山形県の県都・山形。周辺には蔵王温泉、上山温泉、赤湯温泉、天童温泉と名だたる温泉地が並んでいるため、シティホテルのレベルが高いのが特徴。山寺などの観光基地としても活用できます。ファミリーをも念頭に入れ、取材班がおすすめの4軒を紹介しましょう

よく読まれている記事

こちらもどうぞ