勝沼トンネルワインカーヴ

勝沼トンネルワインカーヴ

甲州市にある明治時代のレンガ積みのトンネルを再生したワイン貯蔵庫が勝沼トンネルワインカーヴ。明治35年に笹子隧道が完成し、明治36年6月11日に中央本線の東京~甲府間が開通。その時造られ、明治36年~平成9年の間、中央本線のトンネルとして活躍したのが深沢トンネル(正式名:深沢隧道)。その深沢トンネルをワインカーヴに転用。

レンガ造りのトンネルはワインの熟成に最適

新トンネルの完成で、平成17年に旧勝沼町がJR東日本から無償で譲渡を受け、冬場は14~15℃、夏場は17~18℃、湿度45%~65%とワインの熟成には最適なことを生かして、ワイナリーや個人オーナのワイン貯蔵庫として再生したのが「勝沼トンネルワインカーヴ」(カーヴは仏語で貯蔵庫)。

トンネルの完成(中央本線の開通)により、甲州産のブドウやワインの出荷は大幅に日数が短縮され、「甲州市のワイン醸造を支えたインフラ施設・建築物」として近代化産業遺産に認定されています、その活用例としても注目されています。
工事は、大量の湧水と坑内の換気に苦労したと伝えられますが、明治32年12月に導坑が貫通し、翌年11月に竣工しています(工法は笹子トンネル、大日影トンネルと同じです)。

トンネルに使ったレンガは、牛奥村(現在の甲州市塩山牛奥)にイギリス人技師の指導でレンガ工場が建設されて焼成。
そのレンガ積みアーチ構造物の技術を活かして明治31年、土屋龍憲(まるき葡萄酒創業者)によって半地下式の「龍憲セラー」(こちらも現存し、「甲州市のワイン醸造関連遺産」として近代化産業遺産に登録)が建造されています。

実は、深沢トンネルをワインカーヴに転用したのも、その「龍憲セラー」がヒントになっているのです。

勝沼のブドウは、江戸時代には馬の背に乗せ甲州街道を片道6日かけて江戸に、明治時代初期には馬車で横浜へ往復7日かけて出荷していました。
トンネルは手前200m部分が個人用、奥900m部分がワインメーカー用になっています。
深沢トンネル(深沢隧道)の勝沼駅寄りの大日影トンネル(大日影隧道)は「大日影トンネル遊歩道」として再生されています。

勝沼トンネルワインカーヴ
名称 勝沼トンネルワインカーヴ/かつぬまとんねるわいんかーぶ
所在地 山梨県甲州市勝沼町深沢
関連HP 甲州市観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR勝沼ぶどう郷駅からバスで8分、大日影トンネル遊歩道下車すぐ。または、タクシーで5分
ドライブで 中央自動車道勝沼ICから約3.5km
駐車場 10台/無料
問い合わせ トンネルワインカーヴ案内所 TEL:0553-20-4610
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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