山梨県甲州市にある中央本線の大日影トンネルを再生した遊歩道。明治35年に笹子隧道が完成し、明治36年6月11日に中央本線の東京~甲府間が開通。その開通時に造られ、明治36年~平成9年の間、中央本線のトンネルとして活躍したのが大日影トンネル(正式名:大日影隧道)。トンネルは全長1367.8m、高さ4.9m、幅3.57~3.74m。
距離標、勾配標などがそのままに保存
新大日影第二トンネルの開通で、平成17年に旧勝沼町がJR東日本から無償で譲渡を受け、線路や水路をそのままに遊歩道として整備したのが大日影トンネル遊歩道。
トンネル内には東京駅からの距離を示した距離標、線路の勾配を示す勾配標、連絡用の沿線電話機などがそのままに保存されています。
深沢口寄りにある水路は湧水が多いため設けられたもの。
トンネル内には36ヶ所の待避所が用意されていますが、保線作業員が待避するためのもの。
大日影隧道建設に使われたレンガは牛奥村(現在の甲州市塩山牛奥)にイギリス人技師の指導でレンガ工場が建設されて焼成されています。
そのためイギリス積みとなっている点にも注目を。
菱山口~深沢口はゆっくり歩いて1時間ほど。
深沢口側には深沢隧道があり、「勝沼トンネルワインカーヴ」として再生されています。
レンガ積みアーチ構造物の技術は、ワインの貯蔵施設の建設に応用され、明治31年、土屋龍憲(まるき葡萄酒創業者)によって半地下式の「龍憲セラー」が建造されています。
甲州市のワイン醸造を支えたインフラ施設・建築物として、中央本線旧深沢トンネル (現・勝沼トンネルワインカ ーヴ)、旧田中銀行、祝橋などとともに経済産業省の近代化産業遺産(「官民の努力により結実した関東甲信越地域などにおけるワイン製造業の歩みを物語る近代化産業遺産群」)に認定されています。
大日影トンネル遊歩道 | |
名称 | 大日影トンネル遊歩道/おおひかげとんねるゆうほどう |
所在地 | 山梨県甲州市勝沼町深沢 |
関連HP | 甲州市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR勝沼ぶどう郷駅からバスで8分、大日影トンネル遊歩道下車すぐ。または、タクシーで5分 |
ドライブで | 中央自動車道勝沼ICから約3.5km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 甲州市観光協会 TEL:0553-32-2111 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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