大森勝山遺跡

青森県弘前市、津軽富士・岩木山山麓の舌状丘陵の先端、標高130m～ 150mにある縄文時代晩期の遺跡が大森勝山遺跡。環状列石（ストーンサークル）が発見されたことで知られ、世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産にもなっています。

3000年前の環状列石は、縄文人の祈りの場!?

昭和30年頃に計画された岩木山麓の大規模開発に先立ち、昭和34年～昭和36年に発掘調査を行なったところ、大型の竪穴建物跡や環状列石（ストーンサークル）、土器捨て場、屋外炉跡、集石遺構などの貴重な遺構が発掘され、公有化され保存されたもの。

環状列石（ストーンサークル）は、整地した台地に土手状に盛土を施し、その周縁部に77基の組石を配置。
長径48.5m、短径39.1mのやや楕円形に作られています。
1200もの石が使われていますが、遺跡の南北を流れる大森川、大石川から運ばれた輝石安山岩（きせきあんざんがん）が主体です。

環状列石から出土した250点余りの円盤状石製品は、環状列石と関連する何らかの祭祀・儀礼用と推測されています（定住成熟期後半の環状列石を主体とする祭祀遺跡）。
実は大森勝山遺跡、冬至の日に、津軽富士・岩木山の山頂に日が沈む場所に位置し、冬至の日には「ダイヤモンド津軽富士」を眺めることができるのです。
環状列石と岩木山を結ぶ直線上に大型竪穴建物跡が1棟あることから、縄文人の精神性をも示す貴重な遺跡になっているのです。

平成18年～平成20年の再調査で、環状列石（ストーンサークル）が、竪穴建物跡と同じ、縄文時代晩期初め頃（3000 年前）のものであることが確定しています（平成24年に国の史跡に）。
環状列石（ストーンサークル）や大型竪穴建物跡等の遺構は、保護のため埋め戻されていますが、自然石材による列石の実物大表示が行なわれています。

現在、弘前市立裾野地区体育文化交流センターがガイダンス施設になっているほか、弘前市立博物館にも大森勝山遺跡の出土品が展示されています。

世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産となる青森県内の遺跡は、大森勝山遺跡（弘前市）のほか、田小屋野貝塚（つがる市）、亀ヶ岡石器時代遺跡（つがる市）、小牧野遺跡（青森市）、三内丸山遺跡（青森市）、是川石器時代遺跡（八戸市）、大平山元遺跡（外ヶ浜町）、二ツ森貝塚（七戸町）の合計8ヶ所。
青森県は、構成資産17ヶ所の半数近くを占めている「世界一の縄文遺跡の県」です。

大森勝山遺跡
名称	大森勝山遺跡／おおもりかつやまいせき
所在地	青森県弘前市大森勝山
関連HP	弘前市公式ホームページ

電車・バスで	JR弘前駅からタクシーで40分
ドライブで	東北自動車道大鰐弘前ICから約28km
駐車場	あり
問い合わせ	弘前市教育委員会文化財保護課 TEL:0172-82-1642
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。