日本三大弁天とは!?

日本三大弁天

七福神にも数えられる弁才天(弁財天)。弁天様として親しまれますが、もともとは仏教の守護神。日本三大弁天も寺と神社がセットの宝厳寺・竹生島神社(滋賀県・竹生島)、大願寺・厳島神社 (広島県・厳島)、そして明治初年の神仏分離で寺から神社に変わった江島神社 (神奈川県・江の島)の3ヶ所。

「サラスヴァティー」の漢訳は「弁才天」

弁才天、または弁財天と記されますが、実はルーツはヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティーが、仏教に取り込まれた呼び名で、「サラスヴァティー」の漢訳は「弁才天」。
琵琶を手にすることから、音楽神、福徳神、学芸神といわれています。
財宝神としての性格が強調されるようになると弁財天とも記されるようになりますが、ルーツは「弁才天」なのです。
日本三大弁天に関しても諸説ありますが、毎年6月10日、琵琶湖に浮かぶ竹生島神社で江島神社、厳島神社の弁才天の分霊が勧請されての『三社弁才天祭』が行なわれること、神仏習合時代からの由緒正しい歴史、江の島詣でなどに代表される信仰などを勘案すると、この3ヶ所で確定です。

江島神社

所在地:神奈川県藤沢市江の島2-3-8
創建:欽明天皇13年(552年)/社伝
祭神:多紀理毘賣命(たきりびめ)・多紀理比賣命(いちきしまひめ)・多岐都比賣命(たぎつひめ)=宗像三女神/明治初年の神仏分離以前の神仏習合時代には江島弁天・江島明神(明治初年の神仏分離までは金亀山与願寺)
備考:寿永元年(1182年)、源頼朝の命により文覚が江の島岩屋に弁財天を勧請(鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』)

江島神社

江島神社

江戸時代には箱根権現(現・箱根神社)に詣でる箱根詣、丹沢大山の石尊権現に参詣の大山詣(現・大山寺、大山阿夫利神社)と並んで参詣者の多かったのが江の島の「裸弁財天」を拝む江島詣。その江島詣を今に伝える古社が、江の島島内に鎮座する江島神社で、辺

江の島岩屋

江の島岩屋

神奈川県藤沢市にある江戸時代には江の島詣(江島詣)で賑わった江の島。その江の島の最奥、稚児ヶ淵(ちごがふち)から海上に造られたコンクリート製の桟道を進んだ先にあるのが、江の島岩屋。役(えん)の行者が開き、空海(弘法大師)や日蓮上人も参籠した

宝厳寺

所在地:滋賀県長浜市早崎町1664
創建:神亀元年(724年)/寺伝
本尊:弁才天(観音堂本尊は千手観音)
備考:平安時代末期頃からは観音と弁才天信仰の島として繁栄、明治初年の神仏分離で都久夫須麻神社(竹生島神社)と分離

宝厳寺

宝厳寺

琵琶湖に浮かぶ竹生島(ちくぶしま/滋賀県長浜市)にあり、神亀元年(724年)、聖武天皇が国内安穏、国家鎮護の祈りを込めて、行基に堂塔を建立させたのが始まりと伝わる古刹が宝厳寺(ほうごんじ)。本尊の大弁財天は厳島神社、江島神社と並び日本三大弁

竹生島

竹生島

竹生島(ちくぶしま)は、「琵琶湖八景」のひとつ「深緑・竹生島の沈影」で知られる琵琶湖の北部に浮かぶ周囲2kmの小島。「琵琶湖八景」で深緑というのは、島が針葉樹に包まれているから。島の名は「神の斎(いつ)く島」に由来し、神の棲む島として古来か

都久夫須麻神社(竹生島神社)

所在地:滋賀県長浜市早崎町1665
創建:第21代雄略天皇3年/社伝
祭神:市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)=弁才天、宇賀福神 (うがふくじん)、浅井比売命 (あざいひめのみこと)=産土神
備考:明治初年の神仏分離以前は竹生島権現、竹生島弁才天社と称し、歴史的には「日本最古の弁才天」、「弁才天の発祥地」とも

都久夫須麻神社(竹生島神社)

都久夫須麻神社(竹生島神社)

琵琶湖に浮かぶ竹生島(滋賀県長浜市)に鎮座する都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ/竹生島神社)。祭神は、市杵島比売命(いちきしまひめのみこと=弁財天)、宇賀福神、竹生島龍神、そして産土神の浅井比売命(あざいひめのみこと)の4柱。浅井比売命は

大願寺

所在地:広島県廿日市市宮島町3
創建:不詳(平安時代初期、空海創建とも)
本尊:薬師如来・八臂弁才天(厳島弁才天)
備考:本堂には神仏分離令によって厳島神社から遷された弁才天像(秘仏で開帳は毎年6月17日)

大願寺

大願寺

厳島神社宝物館に隣接する寺で、亀居山放光院とも称し、明治維新までは厳島神社の修理造営を司っていた由緒ある寺。開基は不詳ですが鎌倉時代の建仁年間(1201年~1203年)、僧・了海が再興しています。真言宗高野山派に属し、八臂弁才天(厳島弁才天

厳島神社

所在地:広島県廿日市市宮島町1-1
創建:推古天皇元年(593年)/社伝
祭神:市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)・田心姫命(たごりひめのみこと)・湍津姫命(たぎつひめのみこと)=宗像三女神/明治初年の神仏分離以前の神仏習合時代には市杵島姫命ではなく弁才天
備考:明治初年の神仏分離の際に仏教的な建築とみなされ、焼却命令がだされたましたが、なんとか回避

厳島神社

厳島神社

日本三景のひとつ安芸(あき=広島県西部の旧国名)の宮島にある厳島神社(いつくしまじんじゃ)は、社伝によれば推古元年(593年)創建と伝えられる古社。久安2年(1146年)に平清盛が現在の海に浮かぶような社殿の造営を行なっています。世界文化遺

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まだまだあるぞ! 三大パワースポット

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日本三大観音

日本三大観音とは!?

「観音様」とは観音菩薩(かんのんぼさつ)のこと。本来の寺名ではなく、〇〇観音と通称されるように、庶民の願いを聞き届けてくださるありがたい仏様。日本三大観音と通称されるのは、浅草観音(金龍山浅草寺/東京都台東区)、大須観音(北野山真福寺寶生院

日本三大八幡宮

日本三大八幡宮とは!?

欽明天皇32年(571年)に初めて宇佐の地に示顕したと伝わる八幡神は、応神天皇(誉田別命/ほんだわけのみこと)の神霊とされます。というわけで、八幡宮の総本社は宇佐神宮(大分県宇佐市)。宇佐神宮と、石清水八幡宮(京都府八幡市)、筥崎宮(福岡県

日本三大薬師

日本三大薬師とは!?

薬師如来は、東方瑠璃光世界の教主で、人間の病苦をいやし、苦悩を除くというありがたい現世利益で信仰されています。日本三大薬師に数えられるのは(諸説ありますが)、神奈川県伊勢原市の日向薬師(宝城坊)、愛知県新城市の峯薬師(鳳来寺)、高知県長岡郡

日本三大摩利支天とは!?

日本三大摩利支天とは!?

仏教の守護神で、陽炎(かげろう)が神格化したもの。中世以降は武士に信仰され、猪を眷属(けんぞく)に従える摩利支天像に必勝祈願することも。日本三大摩利支天は、東京・アメ横の摩利支天徳大寺、金沢市の宝泉寺、そして京都・建仁寺塔頭(たっちゅう)の

 

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