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琵琶湖博物館で、絶滅危惧IA類、幻のアユモドキを観察

アユモドキを観察

2024年9月14日(土)〜12月24日(火)、滋賀県草津市の滋賀県立琵琶湖博物館で、『7年ぶりの繁殖成功! 天然記念物・アユモドキ』の展示が行なわれます。この鮎に似て、鮎でないアユモドキ、かつては琵琶湖にも棲息していましたが、今では絶滅。日本で最も絶滅のおそれが高い淡水魚のひとつなのです。

亀岡市では密漁防止などのため、生息情報も秘密に

アユモドキはコイ目アユモドキ科の淡水魚(学名・ Parabotia curtus)。
「清流の女王」鮎はキュウリウオ目なので似て非なるものということになります。

アユモドキの体長は15~20cm、川の増水などにより生じる一時的水域でしか産卵をしないということが、絶滅の危機を生んだのです。

都市化に伴う河川の護岸化、後背地(氾濫原環境)の消失、圃場整備事業による水路と田んぼの分離などで親魚の産卵場である水田地帯への移動も困難となり、さらには外来魚(オオクチバスやブルーギルなど)による捕食もあって、今や風前の灯火に。

もともとは琵琶湖・淀川水系、岡山県下の数河川に棲息していましたが、琵琶湖・淀川水系では減少が著しく、現在は淀川水系では京都府亀岡市の一部、そして岡山県の一部にしか生息していません。

亀岡市ではこの環境保全のシンボルともいえるアユモドキが「市の魚」にもなっているほか、密漁防止などのため詳しい生息情報は秘匿されるという徹底ぶりで保全が図られています。

正確な個体数も不明ということで、環境省のレッドリストカテゴリーで絶滅危惧IA類(環境省第4次レッドリスト)に指定。
さらに、環境省の国内希少野生動植物、国の天然記念物(地域定めず)にも指定されています。

滋賀県立琵琶湖博物館では、琵琶湖文化館時代から40年以上にわたって京都府南丹市(旧八木町/現地は絶滅)の個体を繁殖させて系統保存していましたが、2017年を最後に繁殖ができなくなっていました。
淀川水系アユモドキ生息域外保全検討委員会と環境省との協議の上、亀岡市で雌個体を採集し、滋賀県立琵琶湖博物館の雄個体を掛け合わせたところ、7年ぶりに人工繁殖に成功することがでたというわけです。

今回は、保護しているアユモドキと、繁殖に成功した幼魚を展示するだけでなく、かつてアユモドキが琵琶湖にもいたことを伝えるために、琵琶湖で獲れた最後のアユモドキの標本も展示されます。

入館にあたっては休館日などを確認の上、訪問を。

琵琶湖博物館で、絶滅危惧IA類、幻のアユモドキを観察
開催日時 2024年9月14日(土)〜12月24日(火)
所在地 滋賀県草津市下物町1091
場所 滋賀県立琵琶湖博物館
関連HP 滋賀県立琵琶湖博物館公式ホームページ
電車・バスで JR草津駅から近江バス烏丸半島行きで22分、琵琶湖博物館前下車すぐ
ドライブで 名神高速道路栗東ICから約10km
駐車場 480台/有料(博物館利用の場合は無料)
問い合わせ 滋賀県立琵琶湖博物館 TEL:077-568-4811/FAX:077−568-4850
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

滋賀県立琵琶湖博物館

琵琶湖の南東岸、滋賀県草津市にある滋賀県立琵琶湖博物館。琵琶湖に突き出た烏丸半島に建てられ、「湖と人間」をテーマに、琵琶湖の誕生から現在までの歴史や、湖の環境と、人や生き物のかかわりについて学ぶことができます。令和2年10月10日にリニュー

 

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