【地図を旅する】vol.45 日本一名前が長い山は、牛奥ノ雁ヶ腹摺山(山梨県)

日本一名前が長い山をご存知だろうか。北海道ではアイヌ語がルーツの地名、山名が多いため、カタカナ表記で長い山名も生まれますが、最長はポンヤオロマップ岳の9文字。ひらがなに直すと10文字となります。これに対して牛奥ノ雁ヶ腹摺山は、「うしおくのがんがはらすりやま」と14文字もあります。

富士山、南アルプスの展望地としても有名

牛奥ノ雁ヶ腹摺山から富士山を眺望

牛奥ノ雁ヶ腹摺山は、山梨県大月市と甲州市の境、小金沢連峰の中央部に位置する山で、標高は1990m(国土地理院の2万5000分の1地図には標高の表記なし)。
山頂の南側はスズタケが群生するゆるやかな原で、富士山を眺望、西には南アルプス連峰をも眺めることで、小金沢山(2014m)との縦走コースとしても人気があります。

県営林道真木小金沢線(冬期閉鎖)の大峠から黒岳経由で2時間40分。
中級向けの登山ルートとなっています。

牛奥ノ雁ヶ腹摺山という長い山名のうち、牛奥は甲州市の地名。
塩山にある地区名が牛奥で、古代に牛を牧した地で、中世には牧荘(まきのしょう)という荘園があった場所です。
現在ではワイン用のブドウ棚が広がる地ですが、その牛奥の最奥にある山ということに。
雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま/1874m)は、大月市には同名の山があり、旧五百円札の裏面に描かれた富士山の撮影地として有名です。
渡り鳥の雁(ガン)が腹を摺るほど低く飛んで山並みを越えたという山で、牛奥ノ雁ヶ腹摺山の南東にそびえています。
同様に、大月市と甲州市の境、笹子峠近くには笹子雁ヶ腹摺山もあるので、かつてはヒシクイ、マガンなどガンの仲間の渡りルートであったことがわかります。

渡りの季節になるとガン類が山スレスレを飛ぶというエリアで、塩山牛奥地区にあるというのが山名の由来です。

マガンは宮城県の伊豆沼が渡りで有名ですが、現在では山梨県では飛来はほとんどありません。
沼にはえている植物のヒシ(菱)を食べることが名の由来のヒシクイも観察することはありますが、群となって飛ぶ姿は昔話になっています(ヒシクイの渡りルートは日本海側に多い傾向があります)。

牛奥ノ雁ヶ腹摺山から南アルプスを眺望
【地図を旅する】vol.45 日本一名前が長い山は、牛奥ノ雁ヶ腹摺山(山梨県)
名称 牛奥ノ雁ヶ腹摺山/うしおくのがんがはらすりやま
所在地 山梨県大月市大月町真木・甲州市塩山上萩原
関連HP 大月観光協会公式ホームページ
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ラジオ・テレビレジャー記者会会員/旅ソムリエ。 旅の手帖編集部を経て、まっぷるマガジン地域版の立ち上げ、編集。昭文社ガイドブックのシリーズ企画立案、編集を行なう。その後、ソフトバンクでウエブと連動の旅行雑誌等を制作、出版。愛知万博公式ガイドブックを制作。以降、旅のウエブ、宿泊サイトにコンテンツ提供、カーナビ、ポータルサイトなどマルチメディアの編集に移行。

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