旧神谷伝兵衛稲毛別荘(千葉市民ギャラリー・いなげ)

明治21年に千葉県で最初の海水浴場が稲毛海岸に開設されると、稲毛は湘南の大磯と並んで、保養地、療養の地として注目されるようになります。そして大正7年、神谷シャトー(現・シャトーカミヤ)を開業した実業家・神谷伝兵衛(神谷傳兵衛)が別荘を稲毛に築いています。この別荘が「千葉市民ギャラリー・いなげ」の庭園に保存されています。

内部にはワイン王らしく葡萄(ブドウ)の装飾も

「千葉市民ギャラリー・いなげ」では、千葉ゆかりの期待の作家展、子どもたちの作品展、千葉の古写真展など多数開催。庭園に建つのが神谷伝兵衛の旧別荘で、国の登録有形文化財。
来賓用の別荘として建てた鉄筋コンクリート造りの洋館で、千葉市内では最古のコンクリート造り。全国的にみても初期のコンクリート造りの建物です。
1階正面にはロマネスク様式風の5連アーチが並ぶ柱廊が配置され、2階は非対称になった変化のある洒落た外観。外壁は白色タイルで仕上げられています。

1階が洋室で2階が和室の和洋折衷の造りになっています。玄関天井のシャンデリアの中心飾りが葡萄のモチーフ、2階の床柱に葡萄の巨木を用い、天井を竹格子で組んで部屋全体を葡萄棚に見立てていることなど、ワイン王(葡萄酒王)といわれた神谷伝兵衛のこだわりを垣間見ることができます。内部は無料で見学ができるので、稲毛に来たならぜひ寄り道を。

神谷伝兵衛

安政3年2月11日(1856年3月17日)、三河国松木島村(現在の愛知県西尾市一色町松木島)に生まれ、フレッレ商会酒類醸造場(横浜)で働いてワインの知識を得ています。東京麻布(現・東京都港区麻布)の天野酒店で酒の引き売りを行ない、蓄えた財産を元手に東京・浅草に「みかはや銘酒店」(後の神谷バー)を開店。「蜂印葡萄酒」、蜂印香竄葡萄酒」(ハチブドー酒)し、茨城の原野を開墾して神谷葡萄園を開園、明治36年、神谷シャトー(現・シャトーカミヤ)を開業。

旧神谷伝兵衛稲毛別荘(千葉市民ギャラリー・いなげ)
名称旧神谷伝兵衛稲毛別荘(千葉市民ギャラリー・いなげ)/きゅうかみやでんべいいなげべっそう(ちばしみんぎゃらりー・いなげ)
所在地千葉県千葉市稲毛区稲毛1-8-35
関連HP千葉市民ギャラリー・いなげ公式ホームページ
電車・バスで京成稲毛駅から徒歩7分。または、JR稲毛駅から徒歩15分
駐車場あり/無料
問い合わせ千葉市民ギャラリー・いなげ TEL:043-248-8723/FAX:043-242-0729
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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