稲毛海浜公園・いなげの浜(いなげの浜海水浴場)

稲毛海浜公園・いなげの浜(いなげの浜海水浴場)

千葉県千葉市美浜区、東京湾沿岸に位置する長さ3km、面積約83haの総合公園が稲毛海浜公園。昭和20年代に始まった千葉の埋立工事で失われた白砂青松の海浜を復元したのが、いなげの浜で、昭和51年4月26日に誕生した日本初の人工海浜。汀線は1200mで、夏期は、いなげの浜海水浴場もオープンします。

オーストラリアの白砂が敷かれた美しい人工海浜

稲毛海浜公園・いなげの浜(いなげの浜海水浴場)

モナコ公国・モンテカルロ(Monte Carlo)のプラージュ・デュ・ラルヴォット(Plage du Larvotto/ラルヴォットビーチ)に次いで世界でも2番目の人工海浜。

現在は、南から北へ「いなげの浜」、「検見川の浜」(昭和63年オープン、稲毛海浜公園の一部)、「幕張の浜」(昭和55年オープン)と続き、その総延長4320mは人工海浜日本一となっています。
当初のいなげの浜は、稲毛海浜ニュータウン造成事業(埋立事業)で使用した海からの浚渫土砂を活用し、砂の流出を抑制するために砂利を混ぜて誕生。

稲毛海岸には明治21年、海水浴場が設置され、稲毛浅間神社に続く広い松林のなかに「海氣館」が開業しています。
当初、海水浴は、温泉浴と同様に、海中や空気中のミネラル分を体内に取り入れることで諸疾病に対する治療法だとして提唱され、「海氣館」も医学士の濱野昇が「稲毛海気療養所」として設立しています。
その後、明治27年に総武鉄道が開業し、東京近郊の保養地として発展したのです。

後に旅館となった「海氣館」には、島崎藤村、徳田秋声、森鴎外などが滞在し、田山花袋の『弟』、里見弴の『おせっかい』、中戸川吉二の『北村十吉』などに登場、俳人・河東碧梧桐(かわひがしへきごうとう)の全国行脚の大旅行日記である『三千里』も明治39年8月6日、「海氣館」に宿泊、潮干狩をするところから始まります。

浅草で日本初の洋酒バー「神谷バー」を開いて成功を収めた三河国・幡豆郡一色出身の神谷伝兵衛も風光明媚な稲毛海岸に大正時代に別荘を構えています(「旧神谷伝兵衛別荘」として現存)。
さらに「ラストエンペラー」(清朝最後の皇帝)として知られる愛新覚羅溥儀(あいしんかくらふぎ)の弟、溥傑(ふけつ)と嵯峨公爵の長女・嵯峨浩が新婚時代を過ごした家も現存し、「千葉市ゆかりの家・いなげ」として公開されています。

当時の海岸線は、現在の国道14号あたりで、稲毛浅間神社の鳥居も海に面していました。

7月中旬〜8月下旬にはいなげの浜海水浴場オープン

稲毛海浜公園・いなげの浜(いなげの浜海水浴場)

現在のいなげの浜は人工海浜のため、波浪の影響により砂浜が浸食されるため10年に1回程度、砂の補充が必要で(過去には昭和59年、平成10年~平成11年に山砂と砂利を補充して養生)、近年では令和元年にリニューアルされ、令和4年にはウッドデッキも整備されています。

令和元年の養生で投入された白砂は、西オーストラリア州アルバニー産の山砂で、石英を多く含み、真っ白でサラサラとした手触りが特徴。
ウッドデッキの景観とあいまって異国風の雰囲気を醸し出しています。

例年7月中旬〜8月下旬にはいなげの浜海水浴場、稲毛海浜公園プールもオープン。
海水浴場の開設エリアは、稲毛海浜公園プールの海側で汀線200mほど。

夏は海水浴場としても賑わいをみせますが、夕陽がとても美しく、天気が良い日には富士山が見えることも。
例年2月23日前後、10月18日前後には、快晴なら、いなげの浜でダイヤモンド富士を観賞できます。

稲毛海浜公園・いなげの浜(いなげの浜海水浴場)
名称 稲毛海浜公園・いなげの浜(いなげの浜海水浴場)/いなげかいひんこうえん・いなげのはま(いなげのはまかいすいよくじょう)
所在地 千葉県千葉市美浜区高浜7-2-1
関連HP 千葉市公式ホームページ
電車・バスで JR稲毛駅西口から海浜交通バスで海浜公園行き15分、終点下車、徒歩5分。または、JR稲毛海岸駅から海浜交通バス海浜プール入口行き10分、終点下車、徒歩5分
ドライブで 東関東自動車道湾岸千葉ICから約5km、湾岸習志野ICから約9km。または、京葉道路幕張ICから約8km
駐車場 稲毛海浜公園第1駐車場(550台/有料)・第2駐車場(462台/有料)
問い合わせ 中央・美浜公園緑地事務所 TEL:043-279-8440/FAX:043-278-6287
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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