岐阜県大野郡白川村荻町、庄川の河岸段丘上に位置する白川村荻町は、「合掌造り」と呼ばれる茅葺きの民家が多数現存し、集落一帯の45.6haが「白川村荻町伝統的建造物群保存地区」に指定されている。富山県の平村相倉地区、上平村菅沼地区とともに世界文化遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」に登録。
小さな集落に59棟もの合掌造りの民家が並ぶ
白川村の気候は飛騨寒地多雨型に属し、冬の季節風がもたらす大雪は多い時で4mもの積雪を生むことがあるほど。
江戸時代には養蚕、塩硝(えんしょう=黒色火薬の原料)、和紙の生産が盛んとなり、家屋の大型化、耐雪化から「合掌造り」が生み出されたもの。
現存する59棟は江戸時代末期から明治時代に建てられたもの。
周辺の畑や水路なども戦前の状況と変わっらず、それが世界文化遺産に登録されたゆえん。
急勾配で大型の切妻造りの「合掌造り」の家々が群となって集落を構成する景観は、白川郷(しらかわごう)と越中五箇山(えっちゅうごかやま)の集落以外には存在しません。
白川郷でもかつては23の集落に300の「合掌造り」がありましたが、維持管理が大変で、茅(かや)の吹き替えにも莫大な費用がかかるため、まとまった家屋群は荻町だけとなっています。
荻町合掌造り集落には越中五箇山と同様に「平家落人の里」伝説も。
寿永2年(1183年)、木曾義仲軍との倶利伽羅峠(くりからとうげ)での戦いに破れた平家の残党が白川郷に落ちのびたとする伝説で、今も村人の間に語り継がれています。
白川郷・荻町合掌造り集落を見学の際は、村営せせらぎ公園駐車場を利用。
生活の場でもあるのでマナーを守って見学を。
国の重要文化財に指定される和田家、5層建ての合掌造り家屋の長瀬家、和田家の分家でもある神田家、明善寺の庫裏(明善寺郷土館)の合掌造りは見学が可能(有料見学施設)。
「白川郷 田島家養蚕展示館」は、合掌造りの旧田島家を養蚕をテーマとした展示館に再生したもの。
村営せせらぎ公園駐車場に近い「野外博物館 合掌造り民家園」は、村内各地の合掌造りの民家25棟を移築保存しています。
荻町城跡展望台、天守閣展望台からなら荻町合掌造り集落を一望にできます。
白川郷・荻町合掌造り集落(白川村荻町伝統的建造物群保存地区) | |
名称 | 白川郷・荻町合掌造り集落(白川村荻町伝統的建造物群保存地区)/しらかわごう・おぎまちがっしょうづくりしゅうらく(しらかわむらおぎまちでんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく) |
所在地 | 岐阜県大野郡白川村荻町 |
関連HP | 白川郷観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR高山駅から濃飛バス(予約制)白川郷行きで2時間、せせらぎ公園下車、徒歩1分。JR高岡駅より加越能バス五箇山線で2時間30分、荻町神社前下車、徒歩10分 |
ドライブで | 東海北陸自動車道白川郷ICから約4.5km。または、荘川ICから約34.5kmでせせらぎ公園駐車場 |
駐車場 | せせらぎ公園駐車場(200台/有料)・みだしま公園臨時駐車場(120台/有料)・寺尾臨時駐車場(600台/有料) |
問い合わせ | 白川郷観光協会 TEL:05769-6-1013/FAX:05769-6-1716 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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