岐阜県美濃加茂市から坂祝町、可児市(かにし)を経て各務原市(かがみがはらし)、愛知県犬山市に至る木曽川の流れが日本ライン。『日本風景論』の著者で地理学者・志賀重昂(しがしげたか)が、大正3年、木曽川の川下りを楽しみ、その景観がライン河に似ているとして日本ラインと命名したもの。
ライン川にたとえられる壮大な河川美
日本ラインは、チャート層と砂岩層でできた木曽川の奇岩怪石が織りなす景観で、昭和6年に国の名勝に指定。
このチャート層は、金華山を形成するものと同じで、古生代のペルム紀後期(2億6000万年前)から中生代の三畳紀中期(2億3000万年前)にかけて赤道付近の南半球で放散虫などの微生物の死骸が堆積したもの(厚さ1mmになるまで1000年以上必要)。
硬いチャート部分は急峻な金華山、そして木曽川の奇岩として残っているのです。
地理学者・志賀重昂(しがしげたか)は、大正3年5月、加茂郡教育会の講師に招かれた折、加茂から犬山までの木曽川下りを楽しみました。
昭和2年7月6日、大阪毎日新聞の「日本八景」河川の部第1位に選定され、一躍有名に。
平成24年までは美濃太田の大田橋から愛知県犬山市の犬山橋下まで木曽川観光が「日本ライン下り」の船を運航していました。
南北朝時代に伊勢神宮の御用材を運ぶために始まった木曽川の筏流し(いかだながし)をルーツとする木曽川の舟運。
美濃や尾張では江戸時代になると年貢米や日常の生活物資を運ぶ舟運が盛んとなり、木曽川の流域は美濃国ながら尾張藩の領有になったのです。
明治に入ってからは伊勢参りの人々なども乗せるようになり、志賀重昂も「大濤の瀬」や「可児合の瀬」などの早瀬を下る川下りを楽しみました。
現在は、犬山国際ユースホステルを拠点とするYHAが「日本ライン下り」のコースを使って木曽川ラフティングを行なっています(名鉄・犬山遊園駅集合・解散)。
猿啄城展望台(坂祝町)からなら、日本ラインを眼下にできます。
日本ライン | |
名称 | 日本ライン/にほんらいん |
所在地 | 岐阜県美濃加茂市・坂祝町・可児市・各務原市・愛知県犬山市 |
電車・バスで | JR美濃太田駅からタクシーで8分、名鉄広見線日本ライン今渡駅からタクシーで5分 |
ドライブで | 名神高速道路小牧ICから約21km |
駐車場 | 300台/無料 |
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