兵庫県朝来市の神子畑川に架かる鋳鉄一連アーチ橋が神子畑鋳鉄橋(みこばたちゅうてつきょう)。明治18年に架橋された橋で、鋳鉄製の橋梁としては、日本最古の橋、国の重要文化財、そして経済産業省の近代化産業遺産、さらには日本遺産「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道」の構成資産にもなっています。
往時の場所に現存する日本最古の鉄橋
明治18年、神子畑鉱山の馬車道に架橋されたもので、生野鉱山開発を担ったフランス人技師団の技術指導で日本人技術者が設計、施工した鋳鉄橋。
神子畑鉱山(みこはたこうざん)で採鉱された鉱石を、生野製錬所へ運ぶため、16kmの鉱石運搬道路(馬車道)を建設した際に架橋された5本の鋳鉄橋のひとつで、橋長16.0m、単径間アーチ(上路型)形式で、全鋳鉄製という珍しいスタイル。
橋の西側に続く道は、往時の馬車道です。
生野銀山は明治政府が手掛けた最初の官営化した鉱山で、明治元年、明治政府は仏人技師ジャン・フランソワ・コアニエ(Jean-François Coignet)を招き近代化に着手。
明治9年には生野〜飾磨間に幅員6m、全長約49kmの生野鉱山寮馬車道(通称:銀の馬車道)を敷設。
フランス人技師レオン・シスレー(ジャン・フランソワ・コワニエの妻の弟)の監督のもと、当時としては最新技術のマカダム式道路(砕石による道路舗装法)を採用しています(日本初の高速産業道路)。
こうして架橋された神子畑鋳鉄橋は、日本最古の鋳鉄橋であり、鉄橋としても日本で3番目の古さです。
現存最古の鉄橋は明治6年完成の心斎橋(現・緑地西橋/大阪市鶴見区)、国産第1号の橋は、明治11年完成の弾正橋(現・八幡橋/東京都江東区富岡)ですが、ともに移設されているため、往時と同じ場所に架かる橋で最古の鉄橋は、この神子畑鋳鉄橋ということに。
明治24年にはトロッコ軌道が敷設され、馬車鉄道で鉱石を運搬していました。
往時は5ヶ所の橋がありましたが、現存するのは神子畑鋳鉄橋と、羽淵鋳鉄橋(移設)の2橋のみとなっています。
日本遺産「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道~資源大国日本の記憶をたどる73kmの轍~」の構成資産にもなっています。
また、「大量輸送を支えるため近代化・国産技術化が急がれた鉄橋・鋼橋の歩みを物語る近代化産業遺産群」として羽渕鋳鉄橋とともに「我が国鉱業近代化のモデルとなった生野鉱山などにおける鉱業の歩みを物語る近代化産業遺産群」として経済産業省の近代化産業遺産にも認定。
神子畑鋳鉄橋 | |
名称 | 神子畑鋳鉄橋/みこばたちゅうてつきょう |
所在地 | 兵庫県朝来市佐嚢水田1637-7、水田1645-3 |
関連HP | 朝来市公式ホームページ |
ドライブで | 播但連絡道路朝来ICから約6km |
駐車場 | 5台/無料 |
問い合わせ | 朝来市産業振興部観光交流課 TEL:079-672-4003/FAX:079-672-3220 |
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