室戸岬

室戸岬

高知県室戸市、白亜の室戸岬灯台が建つのが室戸岬。安芸山地(あきさんち)が太平洋に落ち込む突端に位置し、岩礁に荒波が砕けるダイナミックな景観は国の名勝に。一帯には天然記念物に指定されているアコウやアオギリなどの亜熱帯性植物も生い茂り、岩礁には遊歩道も整備。若き日の空海(弘法大師)が修行した地としても有名です。

室戸ユネスコ世界ジオパークにも認定

室戸岬

太平洋に突き出した室戸岬は、東の紀伊水道と西の土佐湾を分ける岬。
明治32年初点灯の室戸岬灯台(「日本の灯台50選」、Aランクの保存灯台に選定)は標高154.7mの高台に位置し、その第一等フレネル式レンズは日本に5ヶ所しかない直径2m60cmを誇っています。
また、その光達距離26.5海里(49km)は、日本一。

一帯は、室戸阿南海岸国定公園に指定され、アコウやウバメガシ、アオギリ、ナチシダの群落は「室戸岬亜熱帯性樹林および海岸植物群落」として、国の天然記念物。
とくに山麓に茂るアコウ、山腹のアオギリの群落は見事です。

室戸岬展望台(標高45m/室戸岬突端の公共駐車場から徒歩)、室戸岬灯台展望台(標高145m/室戸スカイライン利用)、スカイライン山頂展望台(津呂山高岡園地/標高258.3m)の3ヶ所が「恋人の聖地」に認定。
海岸部の遊歩道は突端西側と東側に乱礁遊歩道があり、突端部の岩礁地帯は灌頂ヶ浜(かんじょうがはま=空海が灌頂の会式を行なった浜)、月見ヶ浜と呼ばれています。

海岸東側に空海が最初に悟りを開いたとされる海蝕洞窟の「御厨人窟」(みくろど/四国八十八箇所霊場番外札所)があるほか、室戸岬の西に金剛頂寺(西寺=四国八十八箇所霊場第26番札所)、岬の高台に最御崎寺(ほつみさきじ/東寺=四国八十八ヶ所霊場第24番札所)があります。
空海という名は、御厨人窟での修行時に、空と海しか見えなかったことに由来するといわれています。

また、御厨人窟ちかくの小さな入江は、紀貫之(きのつらゆき)が土佐国から都に帰る途中、御崎(室戸岬)に舟を入れた泊だとされ(停泊地は諸説あります)、「土佐日記御崎の泊」の碑が立っています。

室戸岬の突端近くの国道55号沿いに、太平洋を見据えるように建つ像は、中岡慎太郎像。
昭和10年安芸郡青年団が中心に建立したもの。
勤王の志士として知られる中岡慎太郎は、慶応3年11月15日、京・近江屋で刺客に襲われ、坂本龍馬とともに落命しています。

室戸岬一帯は今も隆起を続けている海岸で(地震による隆起地形)、地質の宝庫として世界から注目され、室戸ユネスコ世界ジオパーク (Muroto UNESCO Global Geopark)にも認定されています。
国道が走る部分が波食台で、御厨人窟は、隆起海蝕洞、そして海蝕洞の上部が海食崖となっています。

室戸岬
名称 室戸岬/むろとみさき
所在地 高知県室戸市室戸岬町
関連HP 室戸市観光協会公式ホームページ
電車・バスで 土佐くろしお鉄道奈半利駅から東部交通バス甲浦行きで1時間、室戸岬下車
ドライブで 高知自動車道南国ICから約81km。または、神戸淡路鳴門自動車道鳴門ICから約139km
駐車場 50台/無料
問い合わせ 室戸市観光協会 TEL:0887-22-0574/FAX:0887-22-0574
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
室戸岬灯台

室戸岬灯台

室戸岬の先端に建つ室戸岬灯台(むろとざきとうだい)は、明治32年築の白亜の灯台で現存する鉄造の灯台としては姫埼灯台(佐渡島・明治29年点灯)に次ぐ古いもので海上保安庁のAランク(23基)の保存灯台、「日本の灯台50選」にも選定されています。

最御崎寺(四国八十八ヶ所霊場第24番札所)

最御崎寺(ほつみさきじ)は807(大同2)年に、弘法大師(空海)により開山されたと伝えられる古刹。室戸山(むろとざん)明星院(みょうじょういん)最御崎寺が正式名で、四国八十八ヶ所霊場第24番札所。土佐国で最初の札所で、第26番札所の金剛頂寺

金剛頂寺(四国八十八ヶ所霊場第26番札所)

高知県室戸市の金剛頂寺(四国八十八ヶ所霊場第26番札所)は、空海が若い頃に修行をした地で、807(大同2)年、嵯峨天皇の勅願により空海(弘法大師)が開基したと伝わる古刹。東寺と呼ばれる最御崎寺(第24番札所)に対して西寺と呼ばれています。近

御厨人窟

御厨人窟

室戸岬突端から東側に回り込んだ国道55号の山側に位置する海蝕洞が御厨人窟(みくろど)。空海修行の地と伝えられる伝説の洞窟で、空海が悟りを開いたといわれる地。洞窟内からの空と海の絶景から、「空海」と名乗るようになったとも。海蝕洞の内部には大国

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灌頂ヶ浜

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中岡慎太郎像

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室戸岬展望台

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