神亀年間(724~729年)、聖武天皇の勅願により行基が開いたという高知県南国市の古刹が禅師峰寺(ぜんじぶじ/四国八十八ヶ所霊場第32番札所)。807(大同2)年に空海(弘法大師)が巡錫し、土佐沖の航海の安全を祈願しながら十一面観音像を刻んで本尊としました。海岸沿いの小高い丘の上にあり、境内からは遠く桂浜など土佐湾を一望に。
本尊は土佐沖の航海の安全を見守る十一面観音
山容が観世音の補陀洛山(理想の山)さながらで八葉の蓮台に似ていることが八葉山という山号の由来。
求聞持(ぐもんじ)の法を修したことから求聞持院との院号を有しています。
歴代の土佐藩主は参勤交代で浦戸湾を出帆するとき、必ず禅師峰寺で航海の安全を祈りました(土佐藩の藩主は浦戸から船で大坂へ)。
その由緒から船魂観音(ふなだまかんのん)と呼んで信仰する人も多いのが特長。
仁王門の金剛力士像2体は平安時代中期の仏師・定朝の作と伝わり、国の重要文化財。
土佐藩の参勤交代
土佐藩の参勤交代は、初代の山内一豊から5代までは浦戸から大坂まで海路を利用していました。
海路は風や波の影響を受けやすいため、6代藩主・山内豊隆以降は大豊町から伊予新宮村に抜ける北山道(笹ヶ峰を越え愛媛県川之江に抜ける街道)の利用が主流となります。
5代までの藩主は、浦戸を船出するときに禅師峰寺に航海の安全を祈願するのが通例。
山上の目印として灯台を兼ね、参勤交代の船旅を見守っていたところから「峯寺」(みねでら)とも呼ばれていました。
海路は風や波の影響を受けやすいため、6代藩主・山内豊隆以降は大豊町から伊予新宮村に抜ける北山道(笹ヶ峰を越え愛媛県川之江に抜ける街道)の利用が主流となります。
5代までの藩主は、浦戸を船出するときに禅師峰寺に航海の安全を祈願するのが通例。
山上の目印として灯台を兼ね、参勤交代の船旅を見守っていたところから「峯寺」(みねでら)とも呼ばれていました。
霊場間の距離・時間
31番札所・竹林寺(高知県高知市五台山) — (8km/20分) — 32番札所・禅師峰寺(高知県南国市十市) — (11km/30分) — 33番札所・雪蹊寺(高知県高知市長浜)
禅師峰寺(四国八十八ヶ所霊場第32番札所) | |
名称 | 禅師峰寺(四国八十八ヶ所霊場第32番札所)/ぜんじぶじ Temple 32: Zenjibuji |
所在地 | 高知県南国市十市3084 |
関連HP | 四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ |
電車・バスで | JR高知駅から徒歩10分、はりまや橋バスターミナルから仁井田経由後免方面行きバスで40分、峯寺通下車、徒歩10分 |
ドライブで | 高知自動車道高知ICから約11km |
駐車場 | 30台/無料(7:00〜17:00) |
問い合わせ | 禅師峰寺 TEL:088-865-8430/FAX:088-865-3720 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
取材・画像協力/高知県
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