熊野若王子神社

熊野若王子神社

京都府京都市左京区若王子町、疏水分流沿い、哲学の道の起点となる位置に建ち、桜の季節や秋の紅葉も見事な社が、熊野若王子神社(くまのにゃくおうじじんじゃ)。永暦元年(1160年)、後白河上皇が紀州熊野権現を禅林寺(永観堂)の守護神として勧請して創祀した鎮守社で、「京都三熊野」のひとつ。

皇族に人気だった京の熊野信仰を今に伝える古社

平安貴族に人気だった熊野詣。
法住寺殿(現・法住寺、三十三間堂一帯にあった御所)で院政を敷いた後白河法皇が編纂した『梁塵秘抄』(りょうじんひしょう)にも「熊野の参るには紀伊路と伊勢路のどれ近し、どれ遠し」と記されています。
後白河上皇・34回、後鳥羽上皇・28回、鳥羽上皇・21回という驚くべき回数の熊野詣は、田辺からは中辺路(なかへち)を辿る「紀伊路」が一般的に使われるルートでした。
九十九王子(くじゅうくおうじ)といわれた遥拝所で、身を清めながら熊野を目指したのです。

熊野若王子(くまのにゃくおうじ)の名は、紀州那智権現の若一王子(にゃくいちおうじ)を勧請したことに由来。
若一王子は、神仏習合の神で(天照大神、瓊々杵尊と同一視されていました)、本地仏(神様の真の姿)は十面観音。
熊野十二所権現は三所権現・五所王子・四所明神に分けられ、若一王子は五所王子の第一位。
東京都北区の王子にある王子神社、長野県大町市の若一王子神社なども、この若一王子を祀る熊野信仰の神社です。

熊野若王子神社の背後の山中にある小さな滝は、熊野の那智山権現(現・那智大社)の那智の滝に相当する場所。
後白河法皇が熊野詣をする際、この滝で浄めを行なってから出発した禊ぎの地です。

室町時代には幕府の尊崇を集め、寛正6年(1465年)には、足利義満の花見の宴が催されています。
その後、応仁の乱で荒廃していますが、豊臣秀吉が再興。
明治初年の神仏分離で、熊野若王子神社となっています。

拝殿で開運を祈願した後は、授与品にも注目を。
境内の御神木、みそぎの木として知られる梛(なぎ)の葉で作った、すべての苦難を「なぎ払う」という穢払い(けがれはらい)の「梛守」(なぎまもり)や、着色されたマッチの芯の色で運勢を占う「おみくじマッチ」などがあります。

「京都三熊野」は、熊野若王子神社のほか、左京区聖護院山王町の熊野神社、東山区今熊野椥ノ森町にある新熊野神社 (いまくまのじんじゃ) で、熊野若王子神社が熊野那智大社、熊野神社が熊野速玉大社、新熊野神社が熊野本宮大社という関係です。
ちなみに阿弥陀如来(本宮)は来世の救済、薬師如来(新宮)は過去の救済、千手観音(那智)は現世の利益をつかさどるというのが神仏習合時代の熊野三所権現の教義です。

熊野若王子神社
名称 熊野若王子神社/くまのにゃくおうじじんじゃ
所在地 京都府京都市左京区若王子町2
電車・バスで JR京都駅から市バスで36分、東天王町下車、徒歩10分
ドライブで 名神高速道路京都東ICから約7km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 熊野若王子神社 TEL:075-771-7420
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

新熊野神社

熊野信仰盛んな1160(永暦元)年、後白河上皇が平清盛・重盛に命じて京に創建された神社が新熊野神社(いまくまのじんじゃ)。退位後に院政を敷いた際に、住まいとしたのが現在の京都市東山区に建つ法住寺周辺(法住寺殿)。その鎮守社として新熊野神社が

永観堂(禅林寺)

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京都市左京区にある浄土宗西山禅林寺派総本山が永観堂。「紅葉の永観堂」として知られる名刹ですが、正しくは禅林寺。仁寿3年(853年)、空海の弟子・真紹(しんじょう)が、歌人・文人の藤原関雄の山荘を譲り受け、真言密教の寺としたのが始まり。京都に

熊野神社

熊野神社

京都府京都市左京区聖護院山王町にある京都の熊野信仰を今に伝える古社が熊野神社。弘仁2年(811年)、役小角(えんのおづぬ)の流れをくむ修験道の日圓が紀伊国熊野から熊野大神を勧請したことに始まり、熊野を信仰した白河上皇が、寛治4年(1090年

京都三熊野とは!?

京都三熊野は、新熊野神社 (いまくまのじんじゃ=熊野本宮大社)、熊野神社(=熊野速玉大社)、熊野若王子神社(くまのにゃくおうじじんじゃ=熊野那智大社)の3社。阿弥陀如来(本宮)は来世の救済、薬師如来(新宮)は過去の救済、千手観音(那智)は現

 

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