熊野古道伊勢路 曽根次郎坂・太郎坂

熊野古道伊勢路 曽根次郎坂・太郎坂

三重県尾鷲市賀田と熊野市二木島の市境、甫母峠(ほぼとうげ)を越える峠越えの古道が熊野古道伊勢路曽根次郎坂・太郎坂。峠を境に自領と他領に分かれていることが訛って、次郎、太郎となったと推測されています。美しい石畳やイノシシや鹿除けの猪垣(ししがき)も現存し、街道歩きを楽しむことができます。

尾根沿いの古道はすべてが世界遺産に!

熊野古道伊勢路 曽根次郎坂・太郎坂
次郎坂の鯨石

伊勢の神宮から熊野三山へは、たくさんの峠を越える難行苦行の道でしたが、甫母峠(ほぼとうげ)もそのひとつ。

今では紀勢線は長大な曽根トンネルで峠下を抜けていますが、国道311号は海岸沿いを大回りして抜けています。
北の曽根町側入口から、南の二木島に至るまで、尾根沿いの古道(最高所は362m)が往時のままに現存し、ほとんど全ルートが世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産に。

道沿いには行き倒れの巡礼供養碑、江戸城の築城に使われた石切場跡、鯨に似た鯨石(次郎坂)などがあります。
巡礼供養碑があるのは、尾鷲からは八鬼山越えの難所があるため、曽根次郎坂・太郎坂で力尽きたのかもしれません。

明治29年に曽根と二木島を結び曽根峠を越える新道が開削されていますが、新道開削まで甫母峠には「ほうじ茶屋」が営まれていました。
大化改新(645年)〜天正10年(1582年)まで、紀伊国と志摩国の国境は、この甫母峠で、曽根太郎・曽根次郎は、曽根の他領・自領の意味で国境を表しています。

南側の二木島は、明治時代まで捕鯨で栄えた歴史を有しています。
JR賀田駅~JR二木島駅は5.7km、3時間。
二木島からは南へ、二木島峠道・逢神坂峠道と続いています。

熊野古道伊勢路 曽根次郎坂・太郎坂
熊野古道伊勢路 曽根次郎坂・太郎坂
名称 熊野古道伊勢路 曽根次郎坂・太郎坂/くまのこどういせじ そねじろうざか・たろうざか
所在地 三重県熊野市甫母町
関連HP 三重県立熊野古道センター公式ホームページ
問い合わせ 三重県立熊野古道センター TEL:0597-25-2666/FAX:0597-25-2667
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
熊野古道・始神峠

熊野古道伊勢路 始神峠

熊野古道伊勢路の峠道が残るのが三重県紀北町紀伊長島区と海山区の境に位置する始神峠(はじかみとうげ/標高147m)。サンショウウオを意味する「椒」(はじかみ)が峠の名前の由来。少し険しい江戸道コース、明治時代に改良開削された明治道コースの2コ

熊野古道伊勢路 荷坂峠道

熊野古道伊勢路 荷坂峠道

三重県度会郡大紀町(たいきちょう)と北牟婁郡紀北町の境に位置する峠越えの道が熊野古道伊勢路 荷坂峠道(にさかとうげみち)。江戸時代、紀州藩の街道整備に伴って急峻なツヅラト峠道を諦め、東寄りの荷坂峠道を藩道としたものです。世界遺産「紀伊山地の

熊野古道伊勢路・大吹峠道

熊野古道伊勢路 大吹峠道

三重県熊野市、徐福伝説があり、徐福の里と呼ばれる波田須から南の大泊まで、標高205mの大吹峠(おおぶきとうげ)を越える峠道が熊野古道伊勢路大吹峠道。JR波田須駅〜JR大泊駅の3.5kmが峠越えのハイキングコースとして整備され、2時間30分ほ

熊野古道伊勢路 二木島峠道・逢神坂峠道

熊野古道伊勢路 二木島峠道・逢神坂峠道

三重県熊野市にある神宮(伊勢神宮)と熊野権現を結んだ巡礼の道で、地元の生活道路としても活用されたのが熊野古道伊勢路二木島峠道・逢神坂峠道。伊勢側(北側)の二木島湾と、熊野側(南側)の新鹿湾(あたしかわん)を結ぶ峠越えの道で、JR二木島駅〜J

熊野古道伊勢路 八鬼山越え

熊野古道伊勢路 八鬼山越え

三重県尾鷲市、伊勢の神宮と熊野三山に祀られる熊野権現を結ぶ巡礼の道、熊野古道伊勢路。その最大の難所され、山賊や狼(おおかみ)が出没して旅人を困らせたのが八鬼山越え(やきやまごえ)です。沿道の随所に石仏があるのは、往時の苦難に満ちた山越えを今

熊野古道伊勢路 ツヅラト峠道

熊野古道伊勢路 ツヅラト峠道

三重県度会郡大紀町(たいきちょう)と北牟婁郡紀北町の境に位置する峠越えの道が熊野古道伊勢路 ツヅラト峠道。かつて神宮(伊勢神宮)と熊野権現を結んだ巡礼の道で、伊勢国と紀伊国の国境、ツヅラト峠(標高357m)を越える峠道です。世界遺産「紀伊山

熊野古道・馬越峠

熊野古道伊勢路 馬越峠

三重県紀北町と尾鷲市を結ぶ国道42号は天狗倉山(馬越峠/まごせとうげ)をトンネルで通過していますが、馬越峠周辺には17世紀前半に紀州藩の行なった街道整備事業で敷かれたと推定される熊野古道伊勢路の石畳が残されています。これが熊野古道・馬越峠。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ