岡寺

岡寺

奈良県明日香村を見下ろす小峰・岡山の山腹に建つ古刹が岡寺で、正式名は東光山真珠院龍蓋寺(とうこうさんしんじゅいんりゅうがいじ)。岡に立つ寺という意味で、岡寺と通称されています。寺伝によれば、天智2年(663年)、天智天皇の勅願で義淵(ぎえん)僧正が創建、「日本最初の厄除け霊場」で、西国三十三ヶ所第7番札所。

岡山の山腹に建つ奈良時代創建の古刹

創建した義淵は、草壁皇子の住んだ岡宮で草壁皇子と一緒に育てられたと伝えられています。
その岡宮跡に寺を創建したといわれ、創建当時の岡寺は現在の治田神社の位置にあったと推測されています。

岡寺(龍蓋寺)を創建した義淵僧正は、白鳳時代~奈良時代にかけて多くの高僧を育てた人物で、門下には良弁(ろうべん)や行基、さらには空海の師ともいわれる勤操(ごんそう)などが名を連ねます。

かつては興福寺の末寺でしたが、江戸時代の寛政年間(1789年〜1801年)に長谷寺第32代化主(住職)で根来寺大伝法院座主をも務めた法住(ほうじゅう)が岡寺に入山し、中興第一世となって以来、長谷寺の末寺となっています。

鎌倉初期の『水鏡』に2月の初午の日に厄除けで参詣する旨の記述があり、古くから厄除けで名高かったことがわかります。

国の重要文化財となる本尊は高さ4.8m、平安初期(奈良時代とも)の如意輪観音坐像で、塑像(土でできた仏像)としては日本最大のもの。
ほかに創建した義淵の等身大坐像は国宝に、仁王門や書院が重要文化財に指定されています。

義淵僧正が龍を封じ込めたという龍蓋寺の名の起因ともなった伝説の池は、今も本堂の前に水を湛えています。
2月・3月の初午の日には『厄除開運護摩供大般若法要』も厳修され杉葉守りが授与。
大晦日の除夜の鐘は、23:50〜希望者全員撞くことが可能。

境内には「しやくなげの道」(奥之院石窟〜歴代墓所)、「もみじのトンネル」(三重塔〜歴代墓所)もあり、4月中旬~5月上旬に咲く3000株のシャクナゲ(『石楠花まつり』開催)、ゴールデンウィークの天竺牡丹(ダリア)、11月中旬~12月上旬の紅葉も見事。

西国三十三所霊場間の距離・時間

6番・壺阪山南法華寺/壺阪寺(奈良県高市郡高取町壺阪3) — (9km/20分) — 7番・東光山岡寺/龍蓋寺(奈良県高市郡明日香村岡806) — (14km/35分) — 8番・豊山長谷寺(奈良県桜井市初瀬731-1)
※距離と時間はルートや交通状況により変動するため、およその目安です

岡寺
名称岡寺/おかでら
所在地奈良県高市郡明日香村岡806
関連HP岡寺公式ホームページ
電車・バスで近鉄橿原神宮前駅から奈良交通バス岡寺行きで16分、岡寺下車、徒歩10分
ドライブで西名阪自動車道郡山ICから約21km
駐車場なし/周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ岡寺 TEL:0744-54-2007/FAX:0744-54-3731
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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