虹の松原

三保の松原（静岡県）、気比の松原（福井県）と並び、「日本三大松原」に数えられる景勝地で国の特別名勝になっているのが唐津市の虹の松原。松浦川の河口から浜玉町にかけて5km、幅400m〜700mで、230haにも渡る長大な松原が続いています。「日本の道100選」、「森林浴の森100選」、「かおり風景100選」に選定。

青々とした海を横目に、100万本にもおよぶクロマツの群生

日本三大松原のひとつですが、規模的には虹の松原（230ha）、三保の松原（34ha）、気比の松原（32ha）と桁違いに大きい松原です。
上海と長崎・門司の間をつなぐ定期航路があった戦前は、欧米人もたくさん逗留し、欧米人向けのリゾートホテル「海浜院ホテル」、「松原ホテル」、「東屋ホテル」、「松屋ホテル」などが並んでいました。
当時、上海の欧米人の避暑地は雲仙や唐津だったのです。

有名なジャック・マイヨール（Jacques Mayol／フリーダイビングで105mの記録を保有）も子どものころに家族とともに毎夏の休暇を「東屋ホテル」に滞在し、虹の松原の海岸で泳いでいたのだとか。
ジャック・マイヨールは、4歳の時に虹の松原の海で母から泳ぎを習い、6歳の時地元・唐津の漁師から素潜りを習っています。

初代唐津藩主、寺沢広高が唐津城築城後に防潮、防砂林として自然林に植林を加えたもので、1616（元和2）年頃に完成。

藩政時代には御松原（おんまつばら）、二里の松原と呼ばれ、伐採は死罪という厳しい掟で松が守られ、今も約100万本の松が茂っています。
唐津藩と幕府領との藩境石が松原の真ん中に立ち、歴史を今に伝えています。

そんな松原には、セミが鳴かない（豊臣秀吉が虹の松原を通った時、セミがうるさく鳴くのでうるさいと怒鳴ったら、それ以降はセミが鳴かなくなった）、蛇がいない（浜崎にある諏訪神社に祀られている諏訪姫の願いで蛇がいない）などの七不思議の伝説も残されています。

背後に聳える鏡山山頂の展望台に登れば松原を一望にできるので、時間が許せばぜひ鏡山へ。
「鏡山西展望台」は、虹の松原を一望にするポイントです。

県道347号沿いの駐車場を起点に、松原の散策も可能。
松原の西半分には県道沿いに5ヶ所の駐車場があります。
西端の虹の松原西口交差点近くの駐車場に車を入れれば、昭和天皇散策記念碑あたりまでは徒歩30分。
「からつバーガー松原本店」近くの駐車場に車を入れれば昭和天皇散策記念碑に近いし、麻生本家近くの駐車場に入れれば「槍掛の松」がすぐそば。

欧風料理レストランの「海浜館」あたりが松原の東西の中心。
「海浜館」の建つ場所は、明治末期にオープンした、外国人専用の第一ホテル「海浜院ホテル」があった場所。
ランチタイムには松花堂弁当なども用意されている。

ちなみに、虹の松原海岸は「日本の渚100選」に選定。

取材・画像協力／（一社）唐津観光協会

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