東京都目黒区駒場4丁目にある、「民藝」(民芸)という新しい美の概念の普及と「美の生活化」を目指す民藝運動の拠点として昭和11年10月24日に開設された施設が、日本民藝館。初代館長には柳宗悦(やなぎむねよし)が就任しています。趣ある本館(旧館)は柳宗悦が中心となり設計した建物です。
「美の生活化」を目指す民藝運動の本拠
柳宗悦は、大正14年、陶芸家・河井寛次郎(かわいかんじろう)、陶芸家・濱田庄司(はまだしょうじ=日本民藝館の2代目館長)とともに民衆的工芸の「民藝」という言葉をつくり、日本の伝統美をベースに洋の東西を超越した新しい美を探求する民藝運動を展開します。
そうした民藝運動の拠点となったのが、日本民藝館。
日本民藝館には、生活のなかの実用品として作られたものに生じる「用の美」を感じさせる陶磁器、織物、染物、竹工、紙工など、約1万7000点を収蔵展示しています。
なかでも、日本の古陶磁をはじめ、柳がとくに魅了され、国内屈指の質量を誇る朝鮮半島の陶磁器、アイヌや沖縄の民族衣装や染め物、民藝運動に参加し親交を深めた、イギリス人陶芸家のバーナード・リーチ(Bernard Howell Leach)や河井寛次郎などの陶磁器コレクションは、注目。
建物は駒場東大前の住宅街にあり、瓦葺きの懐かしい雰囲気の本館(旧館)と、昭和57年築の新館、かつて柳宗悦が自宅として使った西館(昭和10年築)があり、本館(旧館)と道路に面した石塀、西館(旧柳宗悦邸)は、東京都の文化財に指定されています。
本館(旧館)にも自然光を取り入れ、古い木の温もりが生かされた造り。
本館1階にはミュージアムショップ(正式名は推薦工芸品売店)も併設され、全国から集められた新作工芸品を販売。
西館(旧柳宗悦邸)は、柳宗悦が美意識を結集して建てた建物で、民藝の美を備えた調度品が配され、美は暮らしに寄り添うという柳宗悦の思想を実際の生活に活かした空間です。
そしてそうした民藝の美を伝えるために開いた施設が、日本民藝館なのです。
日本民藝館 | |
名称 | 日本民藝館/にほんみんげいかん |
所在地 | 東京都目黒区駒場4-3-33 |
関連HP | 日本民藝館公式ホームページ |
電車・バスで | 京王井の頭線駒場東大前駅から徒歩7分 |
ドライブで | 首都高速渋谷ランプから約2.6km |
駐車場 | 5台/無料 |
問い合わせ | 日本民藝館 TEL:03-3467-4527/FAX:03-3467-4537 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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