富山県中新川郡立山町芦峅寺、黒部ダム(黒四ダム)のダム展望台から放水観覧ステージへ向かう外階段の途中にあるのが、コンクリートバケット(Liquid Concrete Bucket)。建設当時コンクリートを運んだ重要な道具で、1日最高で960回も運んだという記録があります。
ダム堤体部分のコンクリート打設に使われた容器
黒部ダム(黒四ダム)のダム堤体部分のコンクリート打設は、昭和34年9月にスタートし、 最盛時には、月間最大量14万7314.5立方メートル、1日最大量8653立方メートルという驚異的な記録を残しています。
当時の電力不足を背景に、発電所をできるだけ早期に稼働させるため、ダムの完成を待たずにコンクリート打設中の昭和35年10月に湛水を開始し、11月には発電所の通水を開始、昭和36年1月には発電の一部営業運転を開始しています。
黒部ダムの建設資材を運搬するための関電トンネルは、扇沢側(長野県大町市)の入口から1691mの部分で、大量の水が湧き出す破砕帯(はさいたい=岩が細かく割れた軟弱で地下水を溜め込んだ地層)にぶつかり、7ヶ月を費やして突破するなど、資材の輸送に遅れが生じていたのです。
その遅れを取り戻すために、突貫工事で行なわれたダム堤体部分のコンクリート打設は、容積立方メートル大型コンクリートバケットを25tケーブルクレーンで移動させて、1回9立方メートルのコンクリートをダム上に運んで、打設。
単純計算しても1日最大量の8653立方メートルを達成するには、962回の作業が必要になります。
合計の回数は、なんと17万7571回分という気の遠くなるような数字で、両岸にはケーブルクレーンの遺構(土台部分)も残されています。
黒部ダム・コンクリートバケット | |
名称 | 黒部ダム・コンクリートバケット/くろべだむ・こんくりーとばすけっと |
所在地 | 富山県中新川郡立山町芦峅寺 |
関連HP | 黒部ダム公式ホームページ |
電車・バスで | 富山地方鉄道立山駅、または、関電トンネル電気バス扇沢駅から立山黒部アルペンルート利用 |
ドライブで | 北陸自動車道立山ICから約25kmで立山駅駐車場。または、長野自動車道安曇野ICから約40kmで扇沢駐車場 |
駐車場 | 立山駅駐車場(900台/無料、混雑時は臨時駐車場を600台/無料を開設) 扇沢駐車場(350台/有料、230台/無料、混雑時は臨時駐車場を600台〜800台/有料を開設) |
問い合わせ | くろよん総合予約センター TEL:0261-22-0804 |
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