世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の中心的な存在。熊野速玉大社、熊野那智大社と並んで熊野三山のひとつで、日本全国に3000社近くある熊野神社の総本社。神武天皇東征以前の創建と伝わる古社で、もとの社地は現在大鳥居が立つ十津川下流の大斎原(おおゆのはら)でした。
全国の熊野神社の総本社で、熊野詣の終点がここ!
社伝によれば崇神天皇の御代に社殿が建立されたと伝わりますが、明治22年の大洪水で一部流失し、明治24年に社地が現在地に遷されています。
一の鳥居をくぐり、158段もの石段を上ると境内に。
境内は入母屋造りの社殿と熊野権現造りの本殿、宝物殿などからなり、主祭神は家都美御子大神(けつみみこのおおかみ)、熊野坐大神(くまぬにますおおかみ〉、熊野加武呂乃命(くまぬかむろのみこと)。
『熊野権現垂迹縁起』によれば、祭神の熊野坐大神(家都美御子大神)は、唐の天台山から飛来。
須佐之男命(すさのおのみこと)といわれていますが、太陽の使いとされる八咫烏(やたがらす)を神使とすることから太陽神であるという説もあって定かでありません。
神仏習合の本地仏は阿弥陀如来。
ちなみにお守などのモチーフとなっている八咫烏は、神武天皇の道先案内を務めた熊野大神の使いとされています。
桧皮葺きの社殿(第一殿〜第四殿)は国の重要文化財。
棟札により、第一殿、第二殿と第四殿は江戸時代後期の1802(享和2)年、第三殿は1810(文化)7年の建立だということが判明しています。
歴代の上皇の参詣もこの本宮が最終目的地でした。
熊野詣(くまのもうで)では本宮は西方極楽浄土、新宮は東方浄瑠璃浄土、那智は南方補陀落(ふだらく)浄土の地であると考えられのです。
社務所前の八咫烏ポストで絵馬の投函を
熊野の御神符である「熊野午王宝印」と道中安全の護符である「梛(なぎ)の葉」を本宮より授与されて、それらを手土産に道者は下向の途につきました。
現在も社務所で、熊野牛王神符(牛王宝印)を授与してもらえます。
社務所前にある黒い八咫烏ポストは、社務所で音無紙(熊野の手漉き和紙)で作られた葉書や、葉書として投函できる八咫烏ポスト絵馬を購入して投函するのが現代風の習わし。
社務所で「出発の地より心をこめて 熊野本宮」というスタンプを押してもらえるのでお忘れなく。
宝物殿には、数々の社宝が収納展示されていますが、明治22年の大水害によって流失した大斎原(おおゆのはら)の社殿が描かれる『熊野本宮并諸末社圖繒』、鎌倉時代の鉄湯釜(国の重要文化財)、熊野本宮八葉曼荼羅(和歌山県の重要文化財)、三角縁神獣鏡(和歌山県の重要文化財)なども展示されています。
熊野本宮大社上四社の祭神と本地仏
上四社
第一殿 西御前 熊野牟須美大神・事解之男神/千手観音
第二殿 中御前 速玉之男神/薬師如来
第三殿 證証殿 家都美御子大神/阿弥陀如来
第四殿 若宮 天照大神/十一面観音
熊野本宮大社 | |
名称 | 熊野本宮大社/くまのほんぐうたいしゃ Kumano Hongu Taisha Grand Shrine |
所在地 | 和歌山県田辺市本宮町本宮1110 |
関連HP | 熊野本宮大社公式ホームページ |
電車・バスで | JR新宮駅から熊野交通バス・奈良交通バス熊野本宮方面行きで1時間23分、熊野本宮下車、徒歩すぐ |
ドライブで | 阪和自動車道南紀田辺ICから約57km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 熊野本宮大社 TEL:0735-42-0009/FAX:0735-42-0753 |
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