火の山公園

山口県下関市、関門海峡に臨む標高268mの火の山の山上一帯に整備されたのが火の山公園。日本海と太平洋、本州と九州を一望する見晴らしのよさから、古来、敵の来襲を知らせる狼煙台（のろしだい）の役割を担い、山名はそこに由来しています。山上へは、火の山パークウェイ、下関市火の山ロープウェイが直通。

関門海峡を一望にするビューポイントは、夜景の名所

近代になると朝鮮半島の利権を争う清への警戒として、大規模な火ノ山砲台（下関要塞の第一砲台〜第四砲台）が設置され、関門海峡を睨んで大砲が設置されていました。
とくに第四砲台は、堡塁に囲まれたなかに28センチ榴弾砲を2門備えたもので、現在もレンガとコンクリートの基礎部分や司令室跡が残されています。
第三砲台跡、第四砲台跡は見学も可能で、土木学会の選奨土木遺産にもなっています。

航空機が発達した太平洋戦争当時には高射砲陣地となり、第2次世界大戦までは軍事要塞として立入禁止になっていました。

今も石造りやレンガ造りの弾薬庫が残りますが、一帯は火の山公園として整備され、下関を代表する観光スポットに、そして西日本屈指のビュースポットになっています。
火の山公園の夜景は、広島県呉市の灰ヶ峰（呉市街の夜景）、高知県高知市の五台山と並び、「中四国三大夜景」にも数えられています。

桜やツツジの名所としても有名。
ツツジの見頃は5月上旬頃。
山頂までは火の山パークウェイ（無料）、 下関市火の山ロープウェイ（3月下旬頃〜11月下旬運転、祝日を除く火・水曜休）が通じ、関門海峡と市街地の夜景スポットとしても人気絶大（火の山ロープウェイの夜間運行は日時が限られています）。

高倉健、大滝秀治の遺作となった映画『あなたへ』（平成24年公開）のロケ地にもなっています。
改造したミニバンで長崎へと向かう主人公・倉島英二（高倉健）とキャンピングカーで日本中を放浪している元国語教師（その正体は車上荒らし犯）・杉野輝夫（ビートたけし）が、後日また偶然再会し、倉島英二（高倉健）の眼の前で山口県警察の警察官に逮捕される場所として火の山公園が登場しています。

五台山展望台

2022年4月10日

火の山ロープウェイ

2017年7月16日