丸沼

丸沼

群馬県片品村の丸沼高原にある、荒原の名前の由来にもなっている湖沼。もともとは白根山(日光白根山)の溶岩流で堰き止められた直径が600mの自然の沼だったもの。昭和5年、下流の大尻池との間に東京電燈(現・東京電力)の丸沼堰堤(丸沼ダム)が完成、水位が28m上昇し、南北1.2km、東西500mの湖となっています。

沼の周囲は、日光国立公園特別地域

満水時の標高は、1428mの高所で、周辺は白樺やブナ林の原生林で日光国立公園特別地域に指定されています。
北岸には単純泉の丸沼温泉が湧き、昭和8年開業の一軒宿「丸沼温泉環湖荘」(TEL0278-58-2002)が営業。
加水や循環のない源泉掛け流しの単純泉は胃腸病や婦人病に効能があります(日帰り入浴も可能なので、電話で確認のうえ、訪問を)。

大尻沼止水場と丸沼堰堤(丸沼ダム)〜丸沼温泉環湖荘を結ぶ丸沼自然遊歩道も整備されており、散策にも絶好。
別名「牧水古道」と呼ばれる遊歩道は、丸沼温泉環湖荘(駐車場)〜丸沼堰堤(丸沼ダム)は40分、さらに大沼沿いに取水口まで55分。

丸沼堰堤(丸沼ダム)の横には丸沼の愛する会の設置した「牧水の渡し」があって、ロープを手繰り寄せて自己責任で利用するシステム。
若山牧水は大正11年10月27日、『みなかみ紀行』で、この地を訪れ「沼のへりの石楠花咲かむ水無月にまた見に来むぞ此処の沼見に」の歌を残しています。
「沼のへり」は大尻沼のこと。
「牧水の渡し」を渡りきった先の国道沿いにも駐車場があります。

丸沼は釣り人にも人気の地

丸沼にはニジマスやブラウンマスが放流され、ルアーやフライフィッシングのメッカにもなっています(発電所と対岸を結ぶ国道寄りは釣り禁止)。
12月下旬頃〜4月中旬頃は湖面が凍結するため、解禁となるのは例年4月下旬~11月末日(解禁日は金精峠開通日により決定)。
入漁料、ボートなどは「丸沼温泉環湖荘」で受付。
丸沼における魚の持ち帰りは5尾までなどルールを守って釣りを。

幸田露伴の奇譚『対髑髏』( たいどくろ/明治23年 )の舞台にもなっていますが、これは明治22年、幸田露伴が日光湯元温泉から金精峠を越えた時の峠道(旧道)と丸沼温泉を題材にしたもの。
つまりは丸沼堰堤(丸沼ダム)の完成前です。

ちなみに東京電燈の子会社・上毛電力が建設した丸沼堰堤(丸沼ダム)は、バットレスダムという特殊なスタイルで土木学会による「選奨土木遺産」、さらに国の重要文化財に指定。

丸沼スキー場入口〜金精トンネルは冬期閉鎖となり、冬期は奥日光へは抜けることができないのでご注意を。

丸沼
名称 丸沼/まるぬま
所在地 群馬県利根郡片品村東小川
関連HP 片品村観光協会公式ホームページ
ドライブで 関越自動車道沼田ICから約42km
駐車場 丸沼高原第2駐車場など
問い合わせ 片品村観光協会 TEL:0278-58-3222/FAX:0278-58-3213
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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